24.6.4
一票に格差是正にむけた衆議院選挙制度改革に関する与野党協議会の議論が暗礁に乗り上げている中、自民党の中から再び中選挙区制復活に向けて動きが高まっている。連用制導入などめぐり、各党の意見調整が難しくなっているだけに、これに同調する動きが一気に広がる可能性もあるという。
私は、衆議院に立候補した時は中選挙区制であり、途中で小選挙区比例代表制に変ったので両方の制度のもとに選挙戦を斗って来たから、その良し悪しについて多少発言する資格があると、思っている。
中選挙区制の場合は、例えば定数が四名とすると、中には多くとるものが一人ぐらいはいるから、投票総数の四分の一をとれば、絶対に当選する。だから、普段から支持者として有権者の四分の一固めておけばよいということになる。八方美人であちこち良さそうなことを言って歩かなくても、何回選挙をしても悠々当選することが出来る。
小選挙区制になると一対一の選挙では、当り前のことながら半分以上の票をとらないとダメ、ということになるので、どうしても気に染まなくても、みんなに気にいるようなことを言いたくなって了うのである。
中選挙区制から小選挙区制になった時は、まず選挙区の面積が小さくなって(私の場合は半分に)後援会の組織の数も減ったし、面倒を見なければならない県会議員や市町村会議員の数も激減したし、出なければならない会合の数も減ったし、それだけ手間も金もかからなくなったから、具合がいい、と思ったものであるが、実際は先に述べたようなことがあって、票固めが却って難しくなったのである。
信念をもって行動する、その意味においてよい選良を選出するためには、どうも中選挙区制へ戻す方が良いと思う。
又、比例代表制も、折角斗って落したと思った相手がひょっこり比例で復活して、同じ議員で御座いますというように顔を並べるのも何だか変なような気がする。
選挙制度を変更する時は、今思い出しても何だかよくわからないが、小選挙区制を主張するのが進歩的で、中選挙区制にこだわっている議員は守旧派とレッテルを貼られて、大いに迷惑したものである。