【 mentorの 被育成者支援 】
ホメロスの叙事詩『オデッセイア』に、
「メントル」という賢人が登場します。
オデュッセイア王の息子であるテレマコスの
教育を託され、立派な人物に育てた師匠です。
Odysseiaさんが息子のテレマコス君のために
教育を託した存在がメンターであるメントル。
メンソレータムとは、何にも関係ありません。
何かスースーする、メンソールとも無関係です。
テレコマスにとって、メントルは、まさしく
「メンター」であったというわけです。
単に、師匠イコール「メンター」ではなく、
「人間的にも信頼・尊敬できて、
公私ともに安心して相談できる」
ということが条件とされています。
メンターの対語として、
被支援者という意味で、
教えてもらう人の事を
「メンティー」と称します。
メンターを信頼、尊敬して、
自分の成長のためメンターに
相談や支援を受けます。
メンティーは、メンディーことが嫌い
だとか、そういう小ネタはさておいて、
(๑>◡<๑)
一般的にはメンターより若年で、
「プロテジェ」などとも呼ばれます。
【 一緒に 成長する 間柄 】
仕事についても私生活の面でも
安心して相談できる人であり、
どのような相談でも共に悩み、
考え、支え、称えてくれる人。
それこそがメンターという存在です。
できる範囲で、有形無形問わず、
力になってくれる人のことです。
特別に振る舞うことはしなくても、
ありのままの態度で接してくれる人。
同じ目線で、フラット(対等)な立場で
分かりやすく対話して納得させてくれる人。
メンターとは、自認・自称するものではなく、
メンティーがその人に対して思うものです。
メンティーの成長を促進するだけではなく、
「自らも成長する関係」と言えるでしょう。
【 親しい関係性からの向上 】
企業などでも、賢者メントルのように
尊敬されるメンターを育成したりして、
メンター制度を活用する所もあります。
若い社員の教育については、
本当に尊敬され、信頼される
立派な人物ではなくても、
「師匠と弟子」なんかではなくて、
「先輩後輩」みたいな関係であっても
メンターという存在にはなれます。
偉いか偉くないか、とか、
従うか従わせるかという、
奴隷や家畜を扱う手法では、
人間の成長は伸び悩みます。
あらゆる全ての思想や宗教、
哲学や主義信条なんかは、
それらがボトルネックになって
若い世代から受け入れられません。
カウンセリングやコーチングは、
被支援者のために行われるもの。
メンタリングは、メンターとメンティーが
2人とも成長するために行われるものです。
カウンセリングやコーチングはというのは
専門的な知識や手法が必要になりますが、
メンタリングは自然にコミュニケーションが
取れる態度そのものが大切になってきます。
親しい関係性の中からでも、
人間は成長して向上が可能です。
【指導側のコミュニケーション力 】
メンタリングは、自然なコミュニケーションが
取れる態度そのものも大切なことですけれど、
メンターがメンティーに対しての支援行動や
専門家の紹介、上司への働きかけなども、
「指導」という行動に含まれる大切なことです。
メンター制度における「メンタリング」は、
メンタリング、つまり「対話」から始まり、
様々な支援行動に発展していくことになります。
企業や団体の中において、新人の定着化や
女性社員の活躍支援の目的などによっては、
メンティー(被支援者)1人に対して、大抵は
メンター(支援者・先輩)1人を割り当てます。
ある一定期間メンタリングを実施して、
メンティーを支援する仕組みがあります。
社員の成長や組織活性化、メンタルヘルス対策
として、非常に有効な仕組みとされています。
注意点として、企業や団体の場合、
一般的なメンターとメンティー
という様な関係とは違って、
信頼関係などがない状態で
最初から始まることです。
制度を効果的に運営するためには、
当該者に対する指導や教育、そして
組織への理解がなければ、どんなに
素晴らしいメンターが頑張っても、
上手く機能することはありません。
当該者の教育と同時に
管理職の側に対しても、
コミュニケーションの大切さ、
事業に対しての考え方を理解
してもらえれば、「メンター制度」自体も
効果的に機能することになるでしょう。



