シラ書41-1〜27
死よ、おまえを思うことは、
実に苦々しいことである。
財産を楽しむ幸福な人にとって、
また、何の心配もない人だとか、
万事に成功者となった人にとって。
まだ快楽を味わいたい人にとっても。
死よ、おまえが確かに来ることは、
実はありがたいことでもある。
力の衰えたあわれな人にとって、
また、弱りきった、心配の多い老人、
すべてに飽きてしまった人や、
もう忍びきれない人にとっても。
来るはずの死を恐れるな、
先人のこと、
後にくる人々のことを思え。
それは、生きるものすべてに、
主から与えられる定めである。
なぜ、いと高き者のみ旨に
背こうとするのだろうか。
十年、百年、千年生きても、
黄泉では、あなたの生命の長さを
非難する者はないのだ。
やくざ者は悪人の子であり、
不敬の者の家には、
愚か者の子が住む。
悪人の子どもの財産は消え失せ、
その子孫も、たえず非難叱責される。
悪い父親は子どもから侮辱され、
その子どもは父から不名誉を受け継ぐ。
崇高な神の律法を捨ててしまった
不敬の者どもはのろわれよ。
あなたたちが生まれたのは、
のろいの誕生だったから、
死ねば、のろいはその身の上に降る。
土から出たものは土に帰り、
悪人は、のろいから滅びに走る。
人間のからだは空しいものだが、
信心ある人の名は消えない。
自分の名を心にかけよ、
それは、千の重宝よりも、
あなたのものとして残るのだ。
幸せな生活が続くのは
ほんの幾日かのことだが、
評判のよい名は永久に残る。
子どもよ、平和に、私の教えを守れ。
隠されている知恵と、目に見えぬ宝が、
何の役に立とう。
知恵を隠す人よりも、
愚かさを隠す人のほうがまだよい。
さあ、恥辱については、
私の言うことをわきまえるがよい。
どんなものでも恥だと思ってはいけない。
どんなこともみなが正確に
評価するわけではないのだから。
父母の前でみだらなことをし、
君主や権力者の前で
うそをつくことを恥よ。
裁判官、法官の前で犯罪を犯すこと、
民の集会の前で不敬をすることも恥よ。
友人や仲間に不誠実であること、
自分の村で盗みをすることも恥よ。
神の真理と契約の前に恥ずべきことは、
食卓でひじをつくこと、
贈り物をあなどる人に
それを持っていくこと、
あいさつしてくれた人に返事しないこと、
売春婦に目をとめること、
同郷の人を追い返すこと、
他人のものや
他人への贈り物を私すること、
夫ある婦人を見つめること、
女中となれなれしくすること。
女中の床には近づかないことだ。
友人を傷つけることを言わず、
物を与えてから、恩を着せるな。
聞いたことを伝えたり、話したり、
秘密をぶちまけることも恥よ。
これを守れば、まことの恥は何かを知り、
みなに好まれる人となろう。







