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シラ書40-1〜30
どんな人にも
苦しい定めがあり、
アダムの子孫には
重いくびきがかかっている。
母の胎を出た時から、
万物の母に帰っていく時まで。
彼らの思うことは、心を襲う恐怖、
死の日を待つ不安である。
光栄をうけて王座に座る人から、
土と灰にかがむ卑しい人に至るまで。
彼らにあるものは、
怒り、ねたみ、混乱、不安、
死の恐怖、競争心、闘争。
横になって休む時や
夜の眠りの時にも、
不安の相を変えるだけである。
しばしまどろむと、
寝ている間も、真昼のように、
戦いを逃れ出た脱走者のように、
悪夢に襲われる。
救い出されそうになって目がさめ、
あの恐怖は何でもなかったのだと驚く。
人間から獣に至るまで、
生きる物すべてに恐怖がある。
しかし悪人にとっては
通常の七倍の恐怖となる。
死、血、争い、剣、
不幸、飢え、憂悶、災難がある。
これらはみなすべて
悪人のためにつくられ、
洪水が襲ったのも、
彼らがいたからだった。
土から出るものはみな土に帰り、
水から出るものは海に帰っていく。
わいろや不正は消えるが、
誠実は永遠にとどまる。
不正な金持は、
小川のように姿を消す。
にわか雨にとどろく雷鳴のように。
彼は喜んで手を開くが、
悪人は滅びに行く。
悪人のひこばえは枝を出さず、
不純な木の根は
ごつごつした岩にうち当たる。
水岸や川岸に生い茂るあしは、
まず引き抜かれる。
慈愛は祝福の園、
施しは永遠にとどまる。
自由の民と働く人たちにとって
生きることは楽しいが、
宝を見つけた人はそれ以上だ。
また子どものあること、
町を建てることは、
その名を不朽にするが、
知恵を持つことは、それにまさる。
家畜、農場は人に名声を与えるが、
申し分のない女性は、それにまさる。
金と銀は足を確かにさせるが、
助言は、それ以上の価値がある。
富と力は心を安定させるが、
主への恐れは、それにまさる。
主への恐れがあれば、不足のものはなく、
それがあれば、他の支えを必要としない。
主への恐れは、祝福の園であり、
どんな誉れよりも、人の力になる。
子よ、こじきをして生活するな。
こじきをするくらいなら、死んだほうがよい。
他人の食卓を横目でにらむ人の生活は、
生活といえまい。
彼は、他人の食べ物で、
自分ののどを汚す。
知識のある、育ちのいい人は、
それをしない。
破廉恥な人の口には
施される物もうまいが、
その腹にはいると
燃える火のようだ。
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