belimumab | In my life ~研究・育児日記~

In my life ~研究・育児日記~

2011年5月ー2014年2月までBostonに留学していました。
現在は帰国して臨床、教育に追われる日々です。

今日はHuman Genome Sciencesヒューマンゲノム・サイエンス社(メリーランド州ロックビル)
から来られたDr. Williamによるベリムマブの話でした。

ベリムマブは2011年にSLEの新期治療薬としてFDAに承認された治療薬で、
自己反応性のB細胞を標的としたヒトモノクローナル抗体です。

これまでの臨床試験(BLISS trial:phase I-III)のデータを元に解説をしていただきました。

印象深い点として、

 1. ステロイド治療にも関わらずANAが80倍以上、dsDNA値が30IU/ml以上の患者はベリムマブの効果が
 より期待できる。

 2. 治療により血清学的活動性(補体、IgG、dsDNA等)の制御が可能であり
特に、dsDNA-IgG/total-IgGの比が減少する(自己抗体特異的)

 3. 疾患活動性はSLE Responder Index (SRI)を用いて評価する。
 (SELENA-SLEDAI score, BILAG, physician's global assessment scoreにより判断)

4. plasma cell, naive and activated B cellsは減少するが、memory B cellsとT-cellの数は
  変わらない。

臨床的な効果発現までには作用機序からもやはり半年程度かかりそうですが、
副作用はマイルドであり、FDAによって約50年ぶりに認可されたSLEの治療薬として、
大きく期待されます。