あっという間に1年が過ぎようとしている。
忙しくて、忙しくて
気づけば1年
笑うことが増えて、泣くことが減った。
5歳の娘はどんどん可愛くなり
2歳の息子はたくさんお話するようになった。
その度に、幸せを感じた。
でもその分、妻とどんな生活をしていたか
少しずつ、忘れ始めていた。
でも今日
桜を見た。
妻が亡くなった時のように、とても綺麗だった。
そしたら、涙がこぼれた。
忘れた何かを思い出したくて
子どもたちを昼寝させている間に
妻の遺骨を抱えて、ベランダから空を眺めた。
晴れていた。
妻は晴れ女だった。
去年より少し、風が冷たい。
妻の残してくれた手紙を、久しぶりに読む。
青空に向かって、ただただ泣く。
泣き続ける。
涙が止まらない。
愛ちゃん
俺は今、涙が止まらないよ。
悲しくて
優しくて
愛しくて
たくさん泣いているよ。
でもほんの少しだけ
幸せだよ。
愛ちゃんが、
死んでも
今でも
愛してくれているから
愛ちゃんのお陰で
私は今、幸せだよ。
