トイレットペーパーを触らない日ってあるかなあ。

たいていの人がほぼ毎日触れていると思う。

日常に欠かせない紙であるトイレットペーパーを、包む紙がある。

見たことはあるはずだけど、気に留める人はどれくらいいるかしらん。

包装紙ではあるけれど、華美ではなく、どちらかとえいえば粗い、

紙も、印刷も、扱いも。

それを絵描きののびコちゃんは「便所巻紙」と名付けて、愛でる。

愛でるあまり自分で描く。

「のびやか」とかかれた便所巻紙、みて？

夕焼けのような、花のいろのような、赤？朱色？橙色？

使うのがもったいなくて、大事にしまっておきたい小物のような色が背景なの。

黒い生き物が三匹、躍るようにいるね。

鴉と黒猫。ちっこい鴉がもう一匹。

首を伸ばし、腕を伸ばし、できうるかぎり「のびやか」であろうとする三匹は

お友達なのかなあ。顔見知りかなあ。全く無関係なのかなあ。

なんか、「まーぜーて！」って声をかけて、一緒に踊りたくなるよ。

鴉や黒猫と同じポーズをとってみたくなる。

のびやかに、わたしもなりたくなるよ。

「のびやか」は、なんと、三つ葉で囲まれているの。

三つ葉！
お雑煮や、親子どんぶりや、記憶のなかにある温かくて美味しくて懐かしい一ト椀を

きりりと〆る、鮮やかな飾り。

三匹の世界は三つ葉で結ばれている。

みているとつい触れたくなる。

便所巻紙の、芯の穴に指を添えて手にとりたくなる。

でも剥いでしまうのは惜しい。

やっぱり使わないでとっておきたい。

のびコちゃん、便所巻紙展、やるんだって！

観にいってね！

のびコ個展「便所巻紙展」〜うみねこがかえる日〜
11月1日（金）〜7日(木)
11時〜18時(最終日15時)

覚王山アパートギャラリーsobo(そぼ)
〒464-0064 名古屋市千種区山門町1-13 覚王山アパート1階
052-752-8700
火曜・水曜定休日(祝日は営業)

地下鉄東山線「覚王山駅」1番出口徒歩7分
覚王山アパートには駐車場がありません、
お近くのコインパーキングへお願いします。

魅惑の便所巻紙のはなし