最近のフランスに思うこと | 馬の町から

馬の町から

ダンナのフランス赴任で、家族でシャンティイ→シャンティイ近くの村で過ごした、2018年3月26日~2020年10月26日まで、合計ぴったり2年7ヶ月のフランス生活の記録。子供は2008年生まれの娘「はな」(仮名)、2010年生まれの息子「かい」(仮名)。

今日は日本の食べ物の話題にしようかと思いましたが…それは明日に回して、一旦これ挟んどこうかなと…。

 

フランス、再ロックダウン…私達、本当にギリギリのタイミングで脱出できてよかったなと思ってますが。

 

でも今回のロックダウンは春のに比べてだいぶ緩いようで、学校も普通に開いているそうで。

 

このへん、現政府の、教育はなんとか学校現場で死守したいという姿勢がよく見えるなぁと個人的には感じました。

 

というのが、少し前に書きましたが、フランスは来年度からホームスクーリング禁止、つまり健康上の理由以外での不登校禁止、という方向で動き始めたところなんですよね。

 

 

このニュースに注目してる日本人はあまりいないと思いますけど、私は実際に自分の娘がフランスでホームスクーリングを始めたところだったので、ものすごく大きなニュースでした(結果的に本帰国したので影響なくてすみましたけど)。

 

背景には結局、移民や宗教がらみで、フランスにいながらフランスの適切な教育を受けさせない人達を根絶するという目的があるわけで…それくらい、フランスにおけるこの移民問題宗教問題って今すごく重大なわけですよね。

 

これが10月頭の話でしたが…そしたら、この前の風刺画教師斬首事件からの、国内テロ連発。

 

風刺画に関しては、教師が実際に見せたと思われるもの、見ましたけど…これ、普通に、宗教どうとか別として、子供に見せる教師の神経を疑うんですけど…普段どんだけいい先生だったんか知らんけども…ましてやイスラム教徒からしたら、そりゃ怒るわ、って思います…。

 

なのにそれを「表現の自由」を旗印にして大統領まで擁護しちゃって国葬までしちゃったら、そりゃイスラム教国イスラム教徒怒るよなぁ…って、ごく普通に思うわけですけども…。

 

日本人の皆さんがこの件について書いてらっしゃるのをいくつか拝読しましたけど、皆さん共通してるのが、日本人の自分としては、テロを擁護するわけでは一切ないけどでもこの題材を選ぶのがおかしいって思うけど、フランス人のパートナー(または友人)は、でもそれは表現の自由だしこれがフランスの普通の授業だからと返される、っていう。

 

もうこのあたりは教育の根本的な違い、国民性の違いなんだなぁと、非常に興味深く拝読していました。

 

日本人は、相手の立場に立つとか、相手の嫌がることはしないとか、そういうのを学校の中でも指導していきますし、社会的にそういうことに非常に重きを置きますよね(やりすぎな側面も多々ありますけど)。

 

でもフランスで生活して思ったのが、本当に個人が個人の好きなように生きてて、なんか問題あっても「私のせいじゃないから」で終わっちゃって、結果社会の中でいろんなことが噛み合ってなくて回ってないわけ(だって個人が好きに生きてるんだもん、報連相の概念すらない)。

 

どっちがいいとかじゃなくて、どちらもほどほどがいいとは思うんですけど、結局そういう個人の権利の主張が、異文化と出会った時に、こういう問題が噴出するんじゃないの?っていう…ちょっと他者の視点に立つだけで全然状況違うんじゃないのって思ったりしますけど。

 

なので…ホームスクーリングをなくして移民だろうがイスラム教徒だろうが全員学校に登校してフランスの授業を受けること!ってのは、まぁ要するにこういうテロ行為とかを草の根からなくしていきたいのよねって理解はするんだけども、でも学校がこれなら、結局何も変わらないんじゃないの?と思うわけなんですがね…。

 

個人が自由に生きるのは結構なことなんですが…自由だけを主張するのは違うんじゃないかなと…フランスの旗印は自由平等友愛なわけですけど、友愛がね、同胞愛のきらいが強すぎて、同胞以外の他者を自分達と平等な視線で見られてないことが多々なんじゃないかな…。

 

ま、日本だってパーフェクトじゃないですけど…でも、個人的な印象としては、フランスの未来は暗いなぁと思います…(率直に書いちゃって皆さんごめんなさいね)。