もうすぐ年号が「平成」から「令和」に変わります。
今の若い方々から見たら、私たちの存在は、私たちにとっての「明治の人」みたいな感じになるのでしょうか(笑)。

私も来年で60歳。還暦です。
大学の同期でも、どこかで少しダブっていた(笑)友人は定年退職を迎えている人もいます。 

私などは、まだまだやらなければいけないこと、目標に達していないことがありすぎて、仕事を終えるイメージなど全くつかめません。

冷静に考えればこの業界で36年もやってきて「ベテラン」なのでしょうが、胸を張って言えるような実績もありません。
「前向きだね」とよく言われますが、それは常に後ろを振り返る余裕がなかっただけのような気がします。

そんな日々の中で受けたこのインタビュー。
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TALKへ行きたい 第82回

TALKへ行きたい 第83回

仕事に関してお話しするだけでしたので、特に構えることなく、インタビュアーの方に質問されることをひとつずつ思い出しながら答えていきました。

私にとって、カフェ(インタビューを受けた場所)での何気ないひとときだったのですが、後日、上がってきた原稿を読んでいると、これまで感じたことがない「36年」の年月を感じました。

あのときこんなことを考えていた・・・あのときこんな悩みを抱えていた、あのときこんな喜びがあった・・・あのときあの人のおかげで救われた・・・

原稿の中から、36年分の記憶がよみがえりました。

今当たり前のように思っていることが、実は昔は「目標」であり、それは「達成した」ことであったという重要なことに気づかされました。

そして、その「達成」のひとつひとつにはドラマがあり、そのドラマの登場人物の方々には、感謝しきれないほど助けて頂きました。

何事も「前を見る」ことは大切ですが、後ろを振り返らないと、そこに至ることが出来た有り難さを忘れてしまうのですね。

思いがけずこのインタビューは、前しか見ずに視野が狭くなっていた私に、視線を他に向ける機会をつくってくれました。

私もあと何年仕事を続けられる分かりませんが、先が長くない分、これからの"ひとつひとつ"は、それが未来であるときと同じぐらい、過去になっても忘れることなく見つめていようと心に刻みました。