田舎道を昇って、何回か右折と左折を繰り返すと
両脇の木立がとぎれ、一気に空が広がる。
柵の手前で、その道はあっけいくらいにカットアウト。
そこからは、空と海と悠々と舞う鳥たちのみ。
そんな場所で彼女はひとりカフェを営んでいる。
コーヒーが嫌いだからと、メニューにコーヒーがないカフェ。
コーヒーを水代わりに飲む僕が通うようになって3年くらいになるかな。
この場所が好きな理由に、BGMが流れていないことがある。
風の穏やかな日はゆったりとした時が流れ
そうじゃない日はカフェに守られているような気分になる。
無駄がない空間なんだ。
そこは彼女のアトリエとしても機能していて
“子宮”をテーマにした小さなオブジェがカフェのいたるところに置いてある。
僕にとって、そこは子宮の中のような場所なんだけど
子宮の中にたくさんの子宮があるというのもいいよね。
今度いつ会える?
ドライブしながら行ってみないか?