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深夜0時
風が強く、気温は低く。
外歩いてるだけで体力を削り取られそうな環境の中。
やっと自宅マンションのエントランスについたそのとき。
鍵 が ね ぇ
ということに気付く。
財布と携帯と鍵だけ持って出かけたのに
鍵だけロスト。どんだけ器用だ。
探し回ったけど普通にない。
時間も時間で、心当たりのある店は大体もう閉まってる。
最大の問題はスペアキーが家の中。
もうね、ほんとにね。
思ったよ、スペアキーを家の中においておくのはバカ野郎ですね。
この状況で既に手詰まり。
しかたなくマンションの警備員を呼び出す。
しかし問題解決せず。
俺「スペアキーとかないっすかね」
警備員「防犯上そういうのは存在しませんね」
俺「ぶっちゃけあるよね」
警備員「ないです」
俺「・・・」
もう諦めて、鍵の救急車を呼ぶ。
30分後到着。
鍵の救急車のお兄ちゃんはかなり良いノリのお兄ちゃんだった。
鍵の救急車「このドアロック、最新式です。あけるの無理です。破壊しかないです」
俺「破壊すんのいくら?」
鍵の救急車「取り付けこみで10万です」
俺「もういいやそれで、やって」
鍵の救急車「ちなみに、電気ドリルで解体するんで、大音量がこのマンションに響きますよ」
現在AM2:00
間違いなく、村八分にあう。
俺「・・・やっぱいいです」
鍵の救急車「そうっすよねー。つうかこの窓割って入ったほうが安いですよ」
お前、間違いなくそっちのプロだったろ的な発言を平然とするお兄ちゃん
俺「それでもありだな」
そこに近くにいた警備員
警備員「いや、、、それは・・・ちょっと」
まあ、そりゃそうか。
ということで、翌日朝、不動産会社に連絡して家主ならスペアキーを持ってるんじゃないかと
いうことになり、解散。
といっても家に帰れない俺。
そとは冬風が吹き荒んでる。
これは、どう好意的に解釈しても死ぬ。
ということで、他の場所で夜を越しました。
翌日、無事家主からスペアキーを借り、生還
今現在、俺は生きてます。
財布をなくすことより鍵をなくすことがダメージでかいことを知った27の冬の夜。

