JFCネットワーク  (以下HPより引用)

⇒日本人とフィリピン人の間に生まれた子どもたち(Japanese-Filipino Children: JFC)を支援するNGOです。


東京弁護士会人権賞受賞  ・・・ 特定非営利活動法人 JFCネットワーク


○ 『フィリピン女性来日ハンドブック-日本での仕事・生活・人間関係』が完成!

⇒JFCネットワークでは、アジア女性基金からの助成金を受け、『フィリピン女性来日ハンドブック』の作成を進めてきました。これは来日を控えたフィリピン女性を対象に、日本で労働、もしくは配偶者として生活するために必要な日本事情、文化、法律手続き等の情報を提供するためです。2004年4月印刷、完成し、比政府及び自治体、弁護士会、関係NGO等を通じて配布しています。ハンドブック作成に当たっては実体験に基づく情報を載せることが重要と考え、JFCネットワークのクライアントの女性に集まってもらいワークショップを8月と9月の2回開きました。お問合せは事務局まで。


○ハンドブック作成に向けた第1回ワークショップ(2003年8月23日)

⇒ワークショップの内容は、自己紹介、性別(SEX)とジェンダー(GENDER)の違いについてのカシーさん(ファシリテーター、フィリピンの女性の法的支援を行っているNGO・WomenLEADのスタッフ)の説明。その後、いろいろな身の回りにあるものを集めて、その物のジェンダーを皆に決めてもらい、その理由を言っていく、というアクティビティーを行った。その中でジェンダーに関わる、特に女性に対する偏見や思い込みに対するディスカッションを行い、女性をエンパワーするジェンダーの考え方を学んだ。また、ジェンダー差異がどのように社会的に形成されているのか一人の男の子と一人の女の子の成長過程を追いながら話し合った。


お昼の後は、ジェンダーの偏見がどのように実際に現れているか、現在の女性が置かれている状況をカシーさんが豊富な事例と共にレクチャーした。貧困問題や女性に対する暴力(VAW)(レイプやDV、セクハラ、買春、国際移民労働、人身売買、ポルノなどなど)についてさらに掘り下げ、最後には、リプロダクティブライツについて話しをした。セックスについての考え方や、自分たちの子どものための性教育について、カシーさんと子どもとの実際の経験を元に話しをし、興味深かった。


内容は参加者にとって少々難しかったかもしれないが、みな質問をするなど積極的にレクチャーに参加しており、彼女たちが熱心に話しに聞き入る姿が印象的だった。一日のワークショップの後、参加者は励まされた顔をしていた。それぞれがいろいろな思いをもって帰宅していった様子だった。


○ハンドブック作成に向けた第2回ワークショップ(2003年9月19日~21日)

⇒ワークショップでは、演劇の手法や体を使ったエクセサイズを取り入れつつ、参加者が自分たちの過去の経験をシェアーしたり、表現したりしました。

例)日本へ行く前の自分たち―まとめより…「みんな19歳から21歳の若い独身の時に日本に行っている。」「みんな処女だった。」「自分の父親が無責任だったり、死亡したり、病気になったりして家族が経済的に困窮した事が日本行きを決めたケースが多い。」「みんな高校は卒業できている。高校までは両親ががんばってくれたけれど、大学はお金がなく入れないか中退してしまった人が多い。」


「日本行きを決めた直接的原因は?」まとめより・・・「家族の稼ぎ主だったから。生き抜くため。経済的な理由。」「貧困とそれへの挑戦」「母親に説得された」「海外でいろいろな経験をしたかった」「一人暮らしの自由へのあこがれ」「それまでしていた仕事をやめてまで日本に行った。もちろん、給料がいいから」「家族を助けるために自分の意思で決意した」「環境、雰囲気。だれもが日本へ行った。それがはやりだった。」


 また、フィリピンの移住労働者(Migrant Worker)の問題や異文化コミュニケーションについて講師を招き、セミナーも行いました。講義の後には多くの質問や感想が参加者から出されました。


 ワークショップ最終日のまとめでは、3つのグループがそれぞれ、これから来日しようとしているフィリピン人女性たちに向けて、自分たちのハンドブックを作成しました。その中の言葉を紹介します。


「元エンターティーナーとしてみなさんに送る注意は、あらゆる事の決断の際には自分の心と考えを吟味しなさいということです。」「エンターティーナーとして行く人たちは、普通の2倍気をつけてください。私のようにならないように。」「私が日本での経験で学んだことは、自立することです。」「自分の人生は自分の責任です。」「私たちの人権についてよく知りましょう。」「日本の文化や人々についてよく学び、理解しましょう。」「いつでも神様の導きと助けを求めることを忘れないようにしましょう。」