◆ネットワークビジネスの価値

ネットワークビジネスが、企業にもたらす価値は明白です。何しろ消費者自身に、宣伝と販売をやって貰えるのです。この意味は重大ですよ。
まず第一に、中間業者の介在が必要無くなります。これにより、中間マージンを払わなくて済みます。この中間マージンの内訳を見てみると、人件費と広告費が大勢を占めています。消費者が宣伝と販売をやってくれるのですから、この経費を丸々浮かすことができます。しかも、店舗を構える必要すらありませんから、建設、維持の経費と、労力、時間も削減できます。
第二に、高品質の商品を安くで提供できます。この事は、既存の企業にとっても価値のあることですが、良い商品を持っているのに宣伝費を捻出できずにいる、中小・ベンチャー企業にとっては、比較的短期間に流通網を開拓できる可能性を持つ、有効な戦略となり得ます。
第三に、顧客離れがしにくい事です。真に利益をもたらしてくれるのは、繰り返し購入してくれるリピート客だ、とよく言われます。ネットワークビジネスでは、お客さん自身がビジネス参加しているので、なかなか止めない、つまり、リピート客の確保が容易なのです。もちろん、その企業が信頼できて、良い商品・サービス・ボーナスプランを持っているのが前提ですけどね。
ネットワークビジネスとはこのように、企業にとって大きな価値があるものですが、それでは逆に、消費者にとってはどのような価値があるのでしょうか?


◆ネットワークビジネスとは


  

ネットワークビジネス以外のいわゆる普通の販売の場合、商品が消費者に渡るまでには、メーカー→卸売業者→小売業者→消費者、というルートを辿ります。しかし、MLMの場合は、メーカー→消費者、とこの様にいたってシンプルです。
どうしてこのような流通が成り立つのかというと、最初の方にも書きましたが、ネットワークビジネスでは消費者によって宣伝と販売が成されるからです。宣伝と販売と言っても、実際に商品を売り歩くのではありませんよ。具体的な活動方法については後述しますが、簡単に言うと「会員になりませんか?」とお誘いして、契約を取り交わすわけです(この事から、宣伝と販売ではなく、宣伝と成約と言う方が正しいかもしれません)。
冒頭で、ネットワークビジネスとは個人でやる通信販売だとお話したのは、このような意味だったのです。
さて、それではネットワークビジネスのシステムを取り入れることは、具体的に企業にどのような価値があるのでしょうか?

◆マルチ商法


  

ネットワークビジネスは、MLMとも呼ばれます。と言うよりも、 MLMの方が本来正式な名称なのかも知れません。MLMの内、インターネットで活動するものをネットワークビジネスと呼ぶのだ、と言う人もいますが、現在では普通同じ意味で用いられています。したがって、ネットワークビジネス=MLMと考えて問題ありません。
MLMとはマルチ・レベル・マーケティング(Multi Level Marketing)の略で、直訳すれば「多段階の販売」となります。多段階の販売、などといきなり説明されたら、何のことやらさっぱり分からないところでしょうが、貴方は既にここまで読み進んでこられたので、大体理解して貰えていると思います。

それよりも今注目すべきは、ネットワークビジネスの正式名称である、マルチ・レベル・マーケティングの中の、最初の「マルチ」という言葉です。マルチ、という言葉が冒頭に付くと、それを見たり聞いたりした人のほとんどは、「なーんだ、マルチ商法かよ」と判断してしまうでしょう。しかし、MLMとマルチ商法は違うのです。


マルチ商法とは、要するに商品が在るねずみ講です。

組織のトップポジションにいる人達ばかりが儲かって、後から参加した人達が絶対に成功できないような構造になっていたり、商品は在るのだけれども、全然代価に見合わないような物を売っていたりする訳です。

違法なマルチ商法は、本来は「マルチまがい商法」とか「悪徳マルチ」などと呼ばれていました。しかし、日本では実質、マルチ商法=マルチまがい商法=悪徳マルチ=ねずみ講、というのが世間一般の認識です。数年前とあるネットワークビジネスの有名企業が、雑誌に自分の会社をマルチ商法と書かれたのに腹を立てて、名誉毀損で訴えました。そして、訴えが認められて原告が勝訴しました。この裁判を契機に実業界では、MLMはマルチ商法とは別のものとして扱われるようになったのです。


したがって、ネットワークビジネスはマルチ商法とは違います。