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第一話

時間はおそらく正午過ぎ。

太陽が私に水分を体から放出させている。

とても蒸し暑い。

とある街の公園に、私はたたずんでいる。

とても広い公園だ。

名前は青空公園と言うらしい。

広さにして、100mプールが100コースくらい作れそうだ。

子供が遊ぶような遊具は何もない。

いつのまにこんな公園がこの場所にできていたのか?

通学路沿いにあるのだから気づいてもよさそうなものなのだが・・・。

しかしまあ。そんなことはたいした問題ではない。あれに比べれば。

そう、問題は・・・・・・




「なにあれ・・・・・・・・・・?」



公園の入り口とは反対側の角にひときわ大きな木造の建築物があった。

ぱっと見た感じお寺のようだったが、よくわからない。

おそらく5階建てくらいだと思われる。

人の姿は見えない。

少々不気味に思ったが、私は近づいて見ようと歩き出すと


「先輩?」


いきなり横から声をかけられた。


「え!?何、いつからそこにいたの?」

「やだなあ、ずっと横にいましたよ。気づかなかったんですか?」


と言いながら、驚く私を尻目に彼は笑っていた。

彼は同じ学校の部活の後輩だ。たしか・・・藤井康平。

1年年下で、素直な子だが身長が185センチもあるため少し怖かったりもする。


「先輩も今日は来て下さったんですね。」

「・・・何の話?」

「何って、先輩もあそこにいくんでしょ?」

「あれ・・・何?」

「へ?何って・・・こどもの学校でしょう?先輩が紹介してくれたんじゃないですか。あの場所を」

「・・・・・・え?」


(私が紹介した?誰に?君に?何を?あれを?何で?ていうかあれ何?こどもの学校?)


私が困惑して、しばらく沈黙が続いたが・・・・。


「今日は先輩、体調でもわるいんですか?・・・・まあとにかく中に入りましょうか」

「え、ええ・・・」


気づくといつのまにか建物の前に立っていた。

これも相当おかしなことのはずなのだが、もはや私は混乱してしまい、自然とそのことを受け入れていた。


(何なの?この状況は・・・・・・・・・・・)


建物の中に入ると急に薄暗くなった気がした。

・・・・・というより実際に真っ暗になった。

振り返って外を見ると空には月が出ている。


「うそ・・・?」

「はい?何がですか、先輩?」


びっくりして再び振り返るとそこには先ほどの後輩はおらず、別の後輩が立っていた。

一年年下の女の子だ。部活で一番の人気をほこる後輩だ。

(伊藤さやか・・・さんだったかな?あいかわらずかわいい・・・ってそんなことよりっ)


「なんで、ここにいるの?っていうかその格好は?それよりもここって何?」

「・・・・そんなに質問されても」

「あっ・・・・と・・・そうね」


なぜか巫女さん伊藤さんはくすりと微笑んで

「おかしな先輩ですね、とりあえず上にいきませんか?もう皆さん集まっていらっしゃいますから」

(皆さん?集まっている?・・・・ああ、なるほど、みんな集まってるんだ・・・。じゃあいかなきゃね・・・)


私はもう考えることをいったん放棄した。

(もういいや・・・これはきっと夢)


私は引っ張られるように最上階まで上っていった・・・・。