イメージ 1

警官がブザーを鳴らし、中から対応してきたのはバースディボーイではない住人。
ここから先はピーがずっと覗き窓越しに様子を窺っていたのだけれど。
後から聞いたところによると、警察が説明したのは以下の通り。

・夜11時以降は騒ぐな
・一度目の通報の際は、身分証の提示と通報内容の記録
・二度目の通報の際は、警察署まで連行し、さらに裁判

大体はこんなことを説明していたようだけれど、住人は大人しく身分証を提示して
書類にいろいろ記載させられていたようす。

10分ほどして警官たちが帰って行くと、隣りはさっきまでとは打って変わって
静まり返っていた。

するとピーは、
「やっと静かになった。これで彼にとって19歳のバースディは忘れられないものになるね」
と言ったけど、どーかしら。
警察署にしょっ引かれるまで、分かんないんじゃないの、あーゆうアホは。
と私はいく分懐疑的だった。

そして警官達が帰ってから30分くらい経ったころだろうか、
またしても隣が煩くなってきた・・・

ホラ、言わんこっちゃない~!
絶対ああいうバカに付ける薬はないのっ!
逮捕されるまで、分かんないのよ!!!

でももう騒ぎはゴメンなので、少し様子を見ることにした。
ピーは相変わらず壁を叩いたりしていたけど、
警察が来たって変わらないヤツらが、壁を叩かれたくらいで静かになるわけないじゃん!

そうして警察が帰ってから1時間くらい経った頃
隣の家のブザーが鳴った。
なんだよっ、また新たな訪問者!?
もう夜中の2時半だよ!
と思って覗き窓から見てみると、さっきの中年男性と、若い女性。
ピーも覗き窓からそれを見ると、玄関のドアを開けた。

中年男性は先ほどにも増した剣幕で、中から出てきた男に詰め寄っている。
よーく話を集中して聞いてみたら、大体分かった。
内容は以下の通り。

「オマエら、いつまで騒いでいるつもりだっ!
もう夜中の2時を過ぎているんだぞ!!!
さっき警官が来てから1時間が経つけど、一向に煩いままじゃないか、ふざけるなっ!
私は明日も朝から仕事なんだ、オマエらとは生活が違うんだ!!!
いいか、今すぐ静かにしないなら、今度は私が警察を呼ぶからな!!!!!」

どうやらこの男性はここの住人だったよう。
そして怒りをぶちまけると、階下に消えていった。

「彼の言うとおり、また警察呼ぶぞ!」
とピーも捨て台詞を吐いて、ドアを閉めた。

ピーに確認してみたところ、この中年男性はうちらの部屋の真下に住んでいる人とのこと。
でも住んでいるのは平日だけで、週末は家に帰るのだとか。
なるほど~、だから今まで週末や日中騒いでいるときは出て来なかったのね。

今までは、文句を言っているのはウチらだけだったわけだけど、
これでウチらにも味方が出来てよかったわ~

そして一緒にいた女は、隣人宅へ入っていったけど、
さすがに隣も静かになった。
ま、いくらなんでも誕生日に警察に連行されたくはないでしょ~


ふ~これでようやく寝れるかな・・・と思いトイレに行って、さぁベッドへ!
と歩きだした瞬間、突然下腹部に今まで感じたことのない痛みが走った・・・


<次回最終話!>