父の7回忌だった
きょうだいたちが実家に集まった。
片付けのできない母に代わって、物置部屋を片付けることになっていた。
この場所に住み始めてからの寝具系の布物、衣類、家電‥何重にも積み重なっている。この家の歴史を見るようだ。懐かしいけど、母はなにも捨てられなかったらしい。
詰めるものは車に積み、持ち帰って処分することにした。それでもまだまだあった。
義理の妹がまだ使える物を選択して、持ち帰っているようだった。
義理の妹に、母の通院先を変更するように言われた。
その病院は義妹が選んできた所だ。
付き添いは私がすることになっていたが、時々義妹にも行ってもらっていた。なんでも、義妹が付き添うと、待ち時間の間に自分の気分が悪くなるという。モヤモヤしたが、了解した。
いつもなら夕飯をみんなで食べて解散が、何の事情かわからないけど、皆夕方帰って行った。
自分だって疲れたから早く解放されたいと思ってるくせに、きょうだいたち家族が帰ってしまうと寂しい。
そうしてバタバタしている間、母は居間の座卓の前でずっとぼんやりしていた。
母の老人ホームの話が出た。
そういう時なんだ。
もうとっくに昔の母ではなくなっているが、私の気持ちがついていかない。お母さんなんだけど、もう私の知るお母さんじゃない。
昨日のことを今じわじわ思い出して、目が覚めて気がついたら泣いていた。
同じ部屋の離れたところで、夫がいびきをかいて寝ている。