自己完結型趣味に学ぶ―本は人生。映画は旅。―

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『隣りの女』


著者 向田邦子

出版社 文春文庫

定価 495円

初版発行日 1984/01

 

★★★☆☆

向田邦子さんは昭和56年8月の航空機事故で不慮の死を遂げた。

この作品は、その亡くなった年に出版されたものである。

 

著者の本は、「あ・うん」から始まり、「家族熱」、「父の詫び状」、「きんぎょの夢」など、

読んできた。

向田さんは正の感情よりも、

負の感情を的確に、またツボをはずさずに表現する。

そして、心の中はたとえ家族であっても、夫婦であっても、分からない。

闇に包まれ、闇があるからこそ成立することを教えてくれる。

 

「隣りの女」でもそうだが、家庭のあり方、家族に普通はない。

隣の花は赤いと言うが、「基準はあなたよ」と言ってくれているようだ。

『グラン・トリノ』

原題  GRAN TORINO 

監督  クリント・イーストウッド

キャスト and more

製作年度  2008年

製作国・地域 アメリカ


★★★★☆


クリント・イーストウッドが俳優としては最後の主演と銘打った『グラン・トリノ』。

西部劇時代はあんまりだが、

はっきりいって後年のクリント・イーストウッド監督好きである。

厳しいけど優しい“人間好き”が随所に感じられる。

 

彼の過去の作品(「センチメンタル・アドベンチャー」、「ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場」、「ルーキー」など)の共通点でもある、

「未熟な若者を鍛え、一人前に育てる」

というテーマは、彼のライフワークなのであろう。

 

これからの時代を生きて行く若者に、

本当の男とはなんのか、どう生きるべきなのかを身をもって教え、行動する。


死を目前に控え、朝鮮戦争での罪。
人種差別主義者への懺悔。

反社会勢力の戒め。

国への警鐘。

正義感とは異なるプライドに

潔く、かっこよく向き合あっている。

 

震災のがれき処理が進まない日本に

「絆」の本当の意味を教えてくれるのではないだろうか。

『マザー・ウォーター

監督 松本佳奈

キャスト 小林聡美、小泉今日子、加瀬亮、市川実日子、永山絢斗、光石研、もたいまさこand more

製作年度 2010年

製作国・地域 日本


★★☆☆☆


最近の映画には珍しく、携帯電話が出てこない。

何か大きな出来事があるわけでもなく、少しずつ交錯する人間模様。

 

この映画は、食事や会話、その流れる時間を楽しむもの・・・。

映画を観た後は、

部屋を掃除したくなる。

ご飯を作りたくなる。

いつもより洗濯物をきれいに畳みたくなる。

 

雨風が吹き荒れるような毎日ではなく、

帆を張っても進まない海のように、

日常を穏やかに丁寧に過ごす楽しさも垣間見れる。

 

 

今日は一日お休み。何もしたくない!

というような週末の午後に、まどろみながら観てほしい。

 

逆を言えば、忙しいときや悩みを抱えているときに観ると、

間の取り方、起伏のなさに、「早送り」を押したくなるので要注意。