最近、周南福祉健康センターの子達に皆様が目を向けてくださり、一般譲渡で里親様に成って下さいます方が多くなるに連れ、譲渡して貰い連れて帰ったのは良いのですが、様態が急変して慌てて病院へ連れて行っても獣医さんから、パルボウィルスなどの検査をしても陰性だし、身体に異常が見付からないのうえ、情報が無さ過ぎるので対処出来ないと言われ、私に緊急連絡して来て、周南の子達の医療に付いて解っている事や対処方法を教えて欲しいと良く連絡が来ますので、ここで、いままでの医療経験に付いて書かせて頂きます。

先ずは、体内寄生虫に付いてですが、

100%の子犬に回虫が居ます。

コクシジウムも頻繁に見付かっています。

最近は瓜実条虫(サナダムシ)が頻繁に見付かっています。

このサナダムシは脳にまで移動しますので、他の寄生虫と違って厄介です。

消化器官で寄生してるサナダムシには駆虫薬が効きますが、脳などに移動してしまっては駆虫薬が効きませんし体外に排出されるのが難しくなり子犬の死亡に繋がります。

一応寄生虫に関しましては、塗便検査で寄生している虫の種類が直に解りますので、獣医さんに対応して貰ってください。

寄生虫を駆除後に、通常なら問題の起きない程度の腸内に住み着いている(カンピロバクター菌・サルモネラ菌)が寄生虫により傷ついた腸に悪さを始め、細菌性腸炎と成って死に至る事も多いです。

獣医さん曰く、ウィルス性感染症は、治療する時間は在るが、細菌性腸炎の方が厄介で直に治療に取り掛からないと死亡すると言われています。

そこで、愛の肉球会では、駆虫薬(ドロンタール・プラス)を3日連続で投薬した後、細菌を死滅させる為に3日連続で抗生物質を投薬します。

これをする事により、死亡率は格段に低く成りました。

問題は、こちらのプログに書かせて頂きましたように、抗生物質を受け付け無いほどに、一気に細菌に冒されるケースが在る事です。

通常この様なケースの場合、直に専属の病院へ連れて行き抗生物質を接種して貰い事無きを得ますが、連休中だった事と、私が関東へお届けに譲渡に行って帰ってきたばかりで、周南の子犬に対しての情報や知識を持った専属獣医さんに診せれ無かった事により6匹とも亡くなると言う最悪な結果を招いてしまいました。

寄生虫のコクシジウムに関しましては駆虫薬を5日連続で投薬すると100%死滅すると云われてますが、細菌などの兼ね合いから愛の肉球会では3日で投薬を終えています。

普通の子犬用の食事が周南の保護っ子たちには胃や腸に負担を与え下痢をします。

普通に食事を与えられて来た子なら胃も腸も免疫力や抵抗力が付き消化できるのだと思いますが、食事もまともに与えられていない子にとっては普通の食事も消化することすら出来ず命懸けと成ります。

その様な状態で(カンピロバクター菌・サルモネラ菌)が暴れだしたら体力も何も無い子犬に取っては致命傷になって亡くなってしまいます。

 

序として貰いました里親様は、真っ先にパルボウィルス感染症の検査を行い、ノミダニ駆除をして頂いて駆虫薬を投薬して貰い寄生虫を駆除してあげて下さい。

その後は必ず下痢が始まりますが、下痢止めより抗生物質を優先して飲ませてあげて下さい。

細菌による下痢ですので、抗生物質でないと効果がありません。

それで便の状態が良くなれば、最後の消化器官のケアのためビオフェルミンなどの整腸剤を飲ませてあげて下さい。

これで胃も腸も落ち着きましたら、後は先天性疾患の発病が怖いだけと成り子犬は栄養も取れスクスクと成長します。

周南福祉健康センターで譲渡してもらうさい、兄妹と比べ異常に身体が小さすぎる子は先天性疾患を疑ってください。

 

最後に抗生物質を3日続けて投薬しても下痢などの症状に改善が見られなければ、精密検査を受けてあげてください。

バベシア症(マダニ感染症)の発症は下痢の症状も見られますが、オシッコの色で一目瞭然で見分ける事が出来ます。

最初は濃い黄色のおしっこから、茶褐色へ変わってきますので、すぐ治療に取りかかってあげて下さい。

 

あと貧血も多いですので、歯茎の色などを見て健康管理をしてあげて下さい。

子犬の場合低血糖症も怖いです。

 

ただ今年に限っては瓜実条虫(サナダムシ)が異常に多く見受けられます。

脳に移動されたら最悪な結果を招くことが多いので、譲渡されれば直に駆虫薬の投薬をお願いします。

 

上記の全てを把握して健康管理をしてあげて下されば死亡率は格段と低くなります。

 

愛の肉球会が5年間で学んで来ました結果です。