児童福祉司 貫田逸子


読みやすい漫画として、啓発されることも本当にありがたいです。

介入されただけでも充分に深刻さがあるので、

中には、当事者の方がシーンから連想しフラッシュバックするおそれがありますので必ずご注意下さい。

これがリアルな現場です。
ただこれらは本当に一部。
もっと陰惨で狂っている世界を私は経験し、見てきました。
優しいふうに見える人も、本当は異常な暴力や狂気の前では立ちすくみ、逃げてしまう。
弱いんだというのも沢山見ました。


主人公の貫田さんは「深刻な状況にならずに済んだ。」という場面がありますが、
「深刻=死」という解釈で描かれている様子です。

ある意味、深い意味ではたしかにそうでもあり、人生何度でもやり直せるという観点からこの言葉が発せられてると思います。

ですが当事者は死んだ方がマシだと思いながら生きざるを得ない日々なのだということは、是非知ってください。

克服した今だからこそ、当事者だった私も人生はやり直せると思えますが、
それでも想像以上な困難さもありました。

記憶が過去に引き戻したり、前に向きたくても出来ない時も沢山ありました。

知らない人は、そんな過去忘れなさいよと軽く言いますが、本当にそう思えるまでがなかなか出来ず、解けない呪縛として当事者を苦しめているのですから、あいつは何を言ってもネガティブな奴だとは絶対に決めつけないでくださいね。

困難だった回復の道のりまでは、それまでは本当に絶望的な状態であったが、本当はそれが世界の全てではなくて、
ちゃんと傷だらけの自分でも受け入れてくれる人がいるんだということ、
安全な場にいていい権利、
そして、本当の意味で周りが安心安全だという信頼を少しづつ染み込ませるように重ねて行くことが最も大切でした。


回復までには本当に死ぬほどの困難がありますが、私は回復できました。