「あの会社ブラックだってインターネットに書いてあったんですけど…どう思いますか」と言う質問を受ける時があります。その時、離職率が非常に高い会社だったりした場合は、その事実のみを話します。しかし、結構な割合で私にはどうしてもそう思えない会社を、学生はブラックといってきます。

 

そんな場合、その会社のデータを学生に提示した後、次のように聞きます。

「ブラック企業でどんな企業のこと言うの?」

そうすると、大抵このように答えてくれます。

「突然残業があって帰れなくなったり、それがサービス残業だったり凄いノルマがあったり…」

 

その後、学生に対してこのように返答する場合があります。

 

「面接練習を私の就業時間外に突然お願いしにくることよくあるよね」

「その時に訊くと突然企業から連絡があって、明日試験なんですとか言ってくるよね」

「あまりにも突然だから、あれ残業申請しないんだ」

「これって、私にとって「突然の残業」かつ「サービス残業」だよね」

「私の大好きなこの学校が、ブラックなんて思われるの嫌だから、今後は規定通り三日前までの予約しか受け付けないね」

私と人間関係が出来ている学生であれば100%

「待ってください、お願いします」

と言ってくれます。

 

ブラックと感じるか感じないかは「主観」です。もしかしたら「学生が困って就業時間外にくる相談」「学生を全員、良い企業に就職させるという困難な目標」に対してブラックと感じる職員がいるかもしれません。(私は感じたことはないのですが)そういう方にとっては、私の所属する学校はブラックだとは思います。しかし、突然の相談は学生が私を信頼してくれている証ですし、全員の就職は私が学生に信頼される泉源と私は考えています。所属する学校がブラックとは思えません。

 

反社会的で、どこから見てもブラック企業と言える企業は存在するとは思います。しかし、本当の意味でのブラック企業はなかなかないと思います。よく「うちの会社はブラックです」という方々が存在します。その組織に不満を持っている人たちです。色々な不満がありますが、この不満は「やらされ感」から出てきます。

 

組織の業務全体を俯瞰し、その中で仕事を「自ら行わなければならない責務」と考えた場合は「ブラック」という感覚はおきません。「誰かから押し付けられた業務」と考えた場合「ブラック」という感覚が生まれます。

 

また、インターネットで紹介されているブラック情報も主観がほとんどです。そのように考える人がいるということです。このように「主観」でブラックか否かを感じるものと考えると、インターネットなどで紹介された「ブラック」というものは、「その組織に不満を持っている人」が主観で書いていると考えるべきです。

 

 その意見を参考にするのは良いのではないかとは思います。でも、参考にとどめましょう。それよりも、もっと色々な角度から、足を使って調べてみたほうが良いと思いませんか。その組織に対する自分の主観を創れるくらいに。

もう少し働く目的について考えてみます。

あなたにとって働く目的とは何ですか(enミドルの転職)

1位:収入を得るため90%

2位:自分の能力・人間性を高めるため55%

3位:仕事を通じて社会に貢献するため45%

実は、この「働く目的」のアンケートで1位から3位までの3つの考え方が仕事をするうえでどのように評価されるか、ドラッカーが書いた名著「マネジメント」をはじめとする様々な本や講演・ブログなどで寓話として紹介されています。

三人の石工の話がある。何をしているかを聞かれて、それぞれが「暮らしを立てている」「石切りの最高の仕事をしている」「教会を建てている」と答えた。第三の男こそマネジメントの人間である。第一の男は、仕事で何を得ようとしているかを知っており、事実それを得ている。一日の報酬に対し一日の仕事をする。だがマネジメントの人間ではない。将来もマネジメントの人間にはなれない。問題は第二の男である。熟練した専門能力は不可欠である。組織は最高のスキルを要求しなければ二流となる。だがスペシャリストは、単に石を磨き脚注を集めているにすぎなくとも、重大なことをしていると錯覚しがちである。専門能力の重要性は強調しなければならない。しかし、それは全体のニーズとの関連においてでなければならない。『マネジメント―課題、責任、実践(中)』(上田惇生訳、ダイヤモンド社

第一の男(石工)は「収入を得るため」に働き、第二の男は「自分の能力」を誇りに働いています。第三の男キリスト教国ではない我々日本人には分かりづらいですが、意訳すると「目を輝かせながら大空を仰ぎ大聖堂を建てていると答えた」と考えると理解できるでしょうか。つまり「仕事を通じて社会に貢献するため」に働いているということです。

どの働き方が素晴らしいということはなく、すべて働き方としては素晴らしいと思います。ただ、総合職を目指すのであれば、将来マネジメント職を目指そうと思うのであれば「仕事を通じて社会に貢献したい」と本気で思って欲しいものです。

あなたにとって「働く目的」とは何ですか?あてはまるものを3つまでお選びください。少し古いデーターになりますが「enミドルの転職」のHPの中にあったデーターを紹介します。(第59回アンケート集計結果「「働く目的」について」|エン ミドルの転職

1位:収入を得るため90%

2位:自分の能力・人間性を高めるため55%

3位:仕事を通じて社会に貢献するため45%

4位:社会的に自立するため25%

5位:人間関係を豊かにするため15%

6位:顧客に喜んでもらうため12%

7位:やりたいことを見つけるため11%

8位:仕事自体が生きがいだから9%

9位:次世代の人材を育てるため6%

10位:国民の義務だから3%

グラフデータから読み取っていますので若干の誤差はありますが、大体こんな感じです。これは実際働いている人たちに聞いたアンケートですので、働くというのはこのような感覚だと思っていただいて間違いないと思います。つまり、働いている人の9割は収入を得るために働いているということです。

しかし、会社説明会などに参加した時や、OBOG訪問で人事の方やリクルーターの方・先輩たちに働く目的を聞くと、収入を得るため以外のやりがいの話などを聞くのではないかと思います。では、彼らは新卒を自社に入れるために偽りを語っているのでしょうか。新卒に対して恰好をつけているのでしょうか。

私はそうではないと考えています。私がもしこのアンケートに回答するとすれば「収入を得るため」「仕事を通じて社会に貢献するため」「次世代の人材を育てるため」の3つを選ぶでしょうか。そうなんです。私も「収入を得るため」に働いています。でもそれだけではないんです。就職支援を通して豊かな人間性を持った人財を創りたいと考えていますし、それによって社会に貢献したいとも考えているのです。

学生からも「実際働く目的はカネなんですよ」「なんやかんや言っても安定が目的です」とよく言われますが、それに対して私は「その考えで問題ない」と言います。でも、それだけだと「人生寂しくないか」とも問いかけます。

就職活動をする中で、自分の働く目的を本気で考えてみませんか。当然、それが志望動機にもつながるはずです。

「人間が抱える問題は、すべて対人関係上の問題である」人事にも信奉者が多いアドラー心理学の考え方です。仕事について3回にわたって述べてきましたが、仕事上で達成しなければならないタスク(課された仕事・課題)もすべて対人関係上の問題だと言えるのではないでしょうか。

営業として売り上げをあるために必要なことは取引先との信頼関係、人事として優秀な社員を確保するために必要なことは応募学生との信頼関係、結局はどんな仕事でも信頼関係を築くことが一番重要なのです。つまり、仕事上で自分はどのように信頼関係を築くことができるか、自分にとっての肝は何か、これが仕事を選ぶ中で考えるべきことです。

信頼関係を創るための第一歩として新人ができることって何でしょうか。モチベーション高く主体的に行動を続けていくこと。誠実に素直にすべてを受け入れること。etc.

新人ができることって結局、今までの学生生活で培ってきた人間性に基づいたものしかないのではないでしょうか。さらには、その学生生活で培った人間性を、その会社で、その仕事で発揮できますか。

例えば「行動し続けることがモチベーションの泉源」と考えて、今まで行動し続けてきた人が熟考をモットーとする企業に入ったら不幸になると思いませんか。「実直で生真面目で」な人が挑戦をモットーにする企業に入っても同じことです。

企業の理念やガイダンスでの話をしっかりと聴いて、自分が学生生活で培ってきた人間性を発揮できる企業かどうかをしっかりと見据えて自分にとって良い企業を是非探し出してください。それが、企業・受験者双方の幸福につながると考えて、就職活動の方向性を決めてください。

もうすぐ次年度の就職活動が本格的に始まります

合同企業ガイダンス・企業ガイダンスに向けて学生たちに徹底していることがあります。いくつかの段階があるのですが、本日はそのいくつかを紹介します。

1.挨拶は笑われることがあっても嫌われることはない。絶対に挨拶では負けるな!!

2.ガイダンスは就職試験だ。就職に対する熱い思いを伝え、名前を憶えてもらえ!!

3.可愛い後輩…自分にとっての可愛い後輩と人事が思う欲しい人材はイコールだ!!

4.人事に自分を知ってもらえ!!間違っても人事と戦おうなどと考えるな!!

5.ホワイトとかブラックとか考えるな!!ワクワクする企業はすべてホワイトだ!!

企業は目を輝かせて、仕事そのものにモチベーションを持った学生を探しています。さらに、ガイダンスはインターンに参加していない場合は初めての接触の場です。企業にいかに良い印象を与えるか、これが就活生に与えられたミッションです。このミッションに対し真っすぐに向き合う学生は企業にとって欲しい学生になります。恥ずかしがらず、前を向いてこのミッションに立ち向かう気概が皆さんの将来を決めます。

人事の頭の中を考えてみてください。皆さんは人事が大人で、自分たちと違う世界に住んでいて、よくわからない人たちと考えていませんか。でも、人事も人間です。皆さんが考えない凄いことを考えているわけではありません。人事が欲しいと思う人材は、皆さんが欲しいと考える後輩と変わりません。皆さんは、どんな後輩が好きですか。どんな後輩と仕事をしたいと考えますか。人事も同じです。「こいつ、いいな。こいつと一緒に仕事をしたいな。」このように考えて採用に至るのです。ちょっと、想像してください。皆さんが高校生で野球部の部長だったとします。今年は沢山の新入部員が入ってきました。新入生にとって初めての部活の日、ある新入部員があなたに話しかけてきました。

先輩、去年の地区大会、見にいきました。3回戦凄かったですよね。いついかなる時も全速力で走って、絶対にあきらめない、負けないという気迫が伝わってきたんですよ。気合の入れ方も半端なかったですよね。先輩達のかけ声が今でも心に残っています。あの時、先輩たちの本気な気持ちと行動を見て、絶対にこの野球部でやりたいって心から思ったんですよ。だから、頭悪かった俺が必死で勉強して、この学校に入学したんです。先輩たちと一緒のチームで野球できるなんて感激です。頑張りますんで、よろしくお願いします。

さて、新入部員が目をキラキラさせながら、こんな風に言ってきたら、先輩としてどんな気持ちでしょうか。こんな後輩かわいくないですか。この後輩と一緒に部活を盛り上げていきたいと思いませんか。そうです。人事の気持ちも全く同じです。人事はエイリアンではありません。皆さんと同じように感じ、皆さんと同じように思うのです。まずは、それを知ってください。「後輩として欲しい」と思う皆さんの気持ちと「職員として欲しい」と思う人事の気持ちは変わらないのです。

そのように考えて、合同企業説明会や企業説明会に参加してみてください。きっと、良い結果が皆さんの上に降ってくると思います。応援していますので是非頑張ってみてください。