スタッフロールが流れる薄闇の中で、隣に座る君が、ハンカチを使う気配を感じて。
僕は思わず、君の頬に手を延ばした。
1週間前、今日の映画の予約をするためにここに来た時に君が言った言葉が…ずっと僕の頭を離れなかった。
「あなたが欲しいもの…たぶん私、知ってる」
君はそう言って、悪戯っぽい笑顔で、僕の顔を覗き込んだ。
「僕が欲しいもの…?」
少しドキマギしつつ訊ね返す僕に、
「うん…イブの夜に、それ、叶えてあげてもいいよ」
と言って、君は少し頬を赤らめた。
(僕が欲しいもの…それは、君だよ)
言葉に出せず、ただ君を見つめていた。
イブの夜。
それは今。
薄闇の中で、君は驚いた様に僕の方を向く。
そして、君の頬においた僕の手に、そっと君の手を重ねて…瞳を閉じた。
君の顔が、すぐ近くにある…。
周りの人に気付かれない様に、君との距離を消した、3秒間。
………
そう、3秒間だけ、私の唇はあなたの温もりを感じた。
それからあなたは、私のハンカチをとって、頬に零れた涙を優しく拭ってくれた。
あなたの吐息が、頬にかかる。
あなたの手から、あなたの温もりが伝わってくる。
胸がきゅんって熱くなる。。
素敵な映画の中のラブストーリーは、その続きをきっと誰かに託そうとする。
…そう、今夜それを受け継いだのは、私とあなたなのかもしれない。
少しずつ明るくなる場内。
言葉に出さないでも、もう全てが伝わった気がして。
あなたの手を握りしめたまま、そっと席を立った。。。

今更ながら、「君の名は」を観てきました。
この映画をみた後…ふつうの女の子なら、誰だって恋をしたくなる。
そんな素敵な映画だって、思います。
上のお話は…そんな気持ちをショートストーリーにしてみたものです♪
クリスマスイブまで…あと少し。きっと今年は…♥
~あい