帰省狂想曲ともいえる壮絶な1日があったのでここに記しておこうと思う。もう3桁は搭乗している筈の私が一度も出会った事の無いようなことの連続でぐったりであった。
始まりは12/22。ANAの旅割21で取った妻子の羽田発新千歳行きチケットであった。翌日から天候悪化の筈が何故か繰り上がり、なんと天候理由での欠航。SFC(上級会員)のステータスがあっても翌日の最終便まで空きは無いということで振替便は驚きの翌々日16時。
翌日12/23は天候悪化との予報が出ており、三連休にかかることもあってしょうが無いか、と思った。22日の空港帰りに電車で子供が若い男に突き飛ばされて座席を奪われるという酷い出来事もあったので車で送ることにした。
12/24,16時の出発2時間前に羽田へ到着し、到着地である新千歳の天候も晴れのち曇り位だったのでこれで一安心、とのんびり帰路についたところ妻から電話が。
何と振替先である24日16時の便が新千歳の混雑による機材繰りで欠航との連絡であった。ANAのプレミアムチェックインカウンターも長蛇の列だが次の順番だというので慌てて空港へ引き返しながら妻の電話を係員に渡して貰い、話し始めた。
大人1人、子供3人。合計4人がキャンセル待ちで乗ろうというのはSFCステータス(ダイヤモンドメンバーのSの次、A)が合っても中々絶望的。まずは旭川(札幌の比較的近場)行きの空席はないか聞くがこちらも満席。
それから札幌への直行便が駄目なら経由便を、と言うことで他のANA就航の道内空港(釧路、帯広、函館、中標津、女満別、オホーツク紋別、稚内、利尻)経由で新千歳や丘珠に行けないか聞いてみるが既に夕方近いと言うこともあり1日1便が昼間に飛んで終わりかそもそも直行便が飛んでいない(=新千歳や丘珠経由)ので不可能であると言う回答。
学生時代、スカイメイトでどうしても直行便の空席が無く、新千歳-三沢-羽田というJALの乗継をやったことを思いだし提案してみたが三沢-新千歳は現在運行していなかった。(三沢-丘珠は運航していたそうな)流石に他社便は不案内だったようなので私もタブレットで調べはじめる。
そして羽田に近い成田、茨城からの札幌行き、更には、中部、伊丹、関西、福岡などの経由便で札幌へ行けないかと提案するが空席が無いか既に出発便がないという状況であった。
昔読んだトラベルミステリーを思いだし「韓国へ出てトランジットでもパスポートは必要ですよね?」「はい、必要と思われます」これも駄目か。
ふと思いついたJALの羽田-青森-新千歳を検索すると何とか今からでも接続できて空席があることが判明。喜び勇んでそちらへの振替を係員に提案すると・・・
「お客様の購入されたチケットは旅割21ですよね?」「はい」「その場合、他社便への振替は出来ません」「もし普通運賃や株優だったら?」「可能です」という驚愕の答え。やはり安いだけのことはあるのか・・・
思わぬ早期割引運賃の弱点が判明。今度から年末年始は株優にしよう、と思いつつ交渉するが埒があかず。今から振替とするとまた翌々日12/26の20時の便になるという。クリスマスプレゼントを心待ちにしている子供達の夢を壊したくはない。(プレゼントは既に実家に送ってある)
父は無駄なお金をかける必要は無いだろうというので祖父に電話し、本日帰省の代わりに多少の負担増をOKして貰ったのでJAL羽田-青森-新千歳のチケットを予約し新橋へ大急ぎで向かいJAL株優を8枚3万で購入。
羽田にとって返しながらANAのSFCデスクへ電話し念のため臨時便の予定は無いか確認したが「今のところ無い、一番早い北海道行きの空席は12/26の旭川行きが最短」との返答。迂回経路を向こうから提案してきたのは褒められるべきだが、二日後では直行便と変わらない。「残念ですがJALで本日中に到着できる乗継便があるのでキャンセルしていただけますか」と返金して貰った。
羽田の第1ターミナルは久しぶりだな、とチケットを購入しようとしたところ「JAL青森-新千歳は空港混雑のため欠航」との無情なメールが届いていた。なんたる絶望。
意気消沈しながらANAのSFCデスクへ再び電話、先ほどキャンセルしたチケットを「キャンセルしなかった」ことにして貰った。本来は出来ないが直後ということもあり特別に対応してくれた事に感謝。
今度は私自身がプレミアムチェックインカウンターに出向き、昼過ぎに発券して貰ったキャンセル待ちのチケット番号が一度チケットキャンセルしたがまだ有効かどうか確認したところ「既に無効となっておりますがお待ちください・・・確約は出来ませんが、次の便に優先的に搭乗できるよう申し伝えます」との返事。うーむ、電話越しでの対応と大分違うじゃないか。人の差か、対応相手を見て変えているのか。それともキャンセル待ちチケットの番号からしてもう乗れていて然るべき状態だったからか。素晴らしい対応をしてくれたMさんに深く感謝。
妻子を次の便のカウンターへ急がせ、私は車を駐車場に放り込み、私自身の帰省予定のチケットをオープンで取って本日キャンセル待ちということにして妻の補助に廻る。これはちょっとした裏技だがお金をかけずに保安エリアへ入れる。
優先保安検査場を抜け、妻と連絡を取ると直近の便が遅延したためその次のカウンターへ向かっているとのこと。私もそのカウンターへ向かい妻子と再会し、疲れて居るであろう妻にラウンジでの水分補給を勧めて子供達の相手をする。
子供達と一緒に次の便のキャンセル待ちアナウンスを待つ。定石通り、種別S(ダイヤモンドメンバー)から読み上げられる。不安になり、妻へ「プレミアムチェックインのMさんからの引継は済んでいるか確認した?」と聞くと確認してないという。確認を促した後「受付中」とメッセージが来るが何のことか問い合わせると「分からない」とのこと。子供達を連れてカウンターへ向かう。
人気が少なくなった搭乗口、緊張しながらグランドスタッフの反応を待つ。「(引継内容を)把握してます」との返事の後、ずっとキーボードを叩いていたスタッフが待ち望んでいた新千歳行きの有効な搭乗券を渡してくれた。急かされながら機体へ向かう妻子。なんとか本日中に実家へ行けることになったと安堵。
流石に疲れ切って一般道を使う気にはなれず、首都高を使って帰宅する。母と妻へ「無事帰宅」のメッセージを送ると妻が既読に。時間的に無事新千歳へ着いたなとほっとしていると妻から電話が。
「(実家近く行きの)高速バスが終日運休だって」今までそんな事態に出会った事は一度も無い。天候に問題は無いというのに。そしてJRには長蛇の列が出来ているという。無事到着した人と諦めて家に戻る人でごった返しているのだろう。優先席で座れなかったら+\300でゆったりとした指定席のUシートを使えることを伝えて通話終了。
結局JRは身動きとれないようなラッシュ状態で札幌駅に到着、地下鉄に乗り換えタクシーで実家へなんとか到着、ちょうど日付が変わる辺りだったそうだ。本当に長い一日だった。家族みんなお疲れ様。
手元に結局使わない事になったJALの株優が8枚残ってしまってその売却損、22日の往復交通費(航空会社責任ではない悪天候などによる欠航時には負担してくれない)と突然行けなくなって癇癪を起こした娘をなだめるために買ったケーキ代が損失に。合計1万数千円位?
いっそ羽田の1タミ航空券売り場で「JALの株優ありますよ～1枚5000円で如何ですか～」とダフ屋まがいのことでもやるか(苦笑)意外と捌けるんじゃないかという気もする。
無事クリスマス前に到着できたので子供達はプレゼントを受け取ることが出来て大はしゃぎとのこと。私自身は株優では30日19時のチケットしか押さえられてないが一人なら経験上空港に着いて直ぐ乗れるだろう。また、たまには空港ラウンジでのんびり一人の時間を過ごすのも良いだろう。
それにしてもANAプレミアムチェックインのMさん、本当に有り難う!
後でお客様相談窓口に感謝の電話を入れておくからね!(笑)
