それは数学者の秋山仁先生。
私が学生の頃、何かの雑誌で
ちょっとくだけた感じの秋山先生の人生相談のコラムがあって
それに衝撃を受けたんです。
相談内容は、
「母がオトコと家出してしまいました。
最悪です。
どうしたら良いでしょうか?」
というもの。
秋山先生の答えはたしか、こんな感じ。
「まず、数学的にこれを考察してみましょう。
状況をまず見てみると、以下4つの状況が可能であったはずです。
1.母がオトコと家出。
2.母がオンナと家出。
3.母がオトコと家に住む。
4.母がオンナと家に住む。
さて、
「母がオトコと家出」は
本当に「最悪」のパターンでしょうか?」
最初私は、「え?なんか単にふざけてて 質問に答えてないじゃん?!変なへりくつ!」
と思ったものですが
先生が言っているのはもっと深いことなんですよね。
「最悪!」と言うのは、その人の主観的な意見なんですよね。
数学的に冷静に、客観的に状況を見てみると
事実では「最悪の事態が起こった訳じゃない」んです。
何か問題が起こったときに、
「わ~!!」ってなって
周囲を見る余裕も 冷静に考える余裕も無くなって
ただ感情的に怒ったり悲しんだり恨んだりするのって
問題解決に全然役立ちません。
って言うか、むしろ問題を悪化させますよね。
表に出しても出さなくても、怒りがそこに存在すれば同じ事です。
だから、まずは冷静に状況を見ることが大事ですよ
って事ですよね。
質問者は「どうしたらいいでしょうか?」って聞いてるんだから
何をやればいいかだけ教えて欲しい、と思いがちですが
感情的になって 冷静な正しい状況把握をしていない状態では
何をやっても焼け石に水ですよね。
だから、具体的に何かをする前に
あなたは自分のコンディションを整えて冷静に状況判断をする必要がある、
そうして初めて良い行動案を思いつくんだよ
と言う事なんだと思うんです。
いやこれ、ものっすごい人だなあ!!
秋山先生ってすっごく賢い人なんだな~
と、とても感動したのを覚えています。
それ以来、何か嫌な事が起こった時には
「そもそもこれは本当に、自分が思う様な『悪い』状況なんだろうか?」
ってところから考え直すようにしています。
往々にして、よく考えたら大した問題でもなかったりします。
時々、ピンチがチャンスに変わったりします