こんばんは、Atsushiです。

先日まり先生が修理していたブレスレット。

 
傷だらけだったのがほぼ新品と呼んでいいくらい綺麗に仕上がりました。
iPHONEで撮ったのでどれだけしっかり仕上がってるか伝わらないのが残念です
オーナーに渡すまでに撮影時間があったら一眼レフで撮影しとこうと思います。

さて、本題。
先日まり先生が書いた記事http://ameblo.jp/ailando2013/entry-11730545526.htmlに書かれた艶出しで行ったへら掛けという加工。
このブレスレットもへら掛け加工が施されてるのですが、大量生産品にはまず施されません。
手作業で凄く手間がかかるので、その分コストがかかります。
ストリートシルバーアクセでここまでやってるブランドも恐らく皆無。
某有名なシルバーアクセブランド達もここまではやりません。
せいぜいバレルをかける程度です。

へら掛けは、金属の表面硬度を上げ、輝きを最大限引き出します。
また、シルバーの場合は変色しにくくなるという特性もあります。
以下まり先生の説明文。


へら掛けの作業は凄く地味な作業ですが、分子レベルで金属に変化を与えます。
科学の専門家ではないので表現が正しくなかったらすみません。
鋳造によって不安定になっている銀の分子を、へら掛けによって安定した状態にします。
表面に締められた銀と銅の層が出来ます。
ここから表面をならす程度に磨きます。
この時おそらく表面の銅が銀より先に磨かれ、表面には安定した銀の層が出来ます。
これにより強い輝きと、変色を遅らせることが出来るのです。


との事です。
この理屈だとへら掛けを施したシルバーの表面は銀のみで覆われる、という事になりますね。
な訳で、実証してみました。

 
私のアクセサリーブランド、【DISTURB】のスカルペンダントにへら掛けを施して燻しました。
燻しは「硫黄で硫化させて変色させる」シルバーアクセでは定番の技法。
銅が表面に浮いていれば茶黒に変色し、銀が表面に多く出てれば青黒く変色します。
ちなみに純銀も青黒く硫化します。

で、結果は
 
青黒く変色しました!
茶黒の変色は一切無し!

純銀でも硫化で変色はしますが、銅の硫化より変色速度は遥かに遅いので、実使用上ではかなり変色に強くなると思います。
なにより仕上げの美しさは格段に上がります。

この技法は教室でも取り組んでいきたいと思います。


藍蘭堂アクセサリー工房&教室
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