釜山映画祭『共喰い』公開後の感想② | Aika's World

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シン・ソンチョルさんの『共喰い』レビューです。


『共喰い』-暴力の歴史はどう終わらせるのか?
青山真治監督の共喰いが釜山映画祭2日目(開幕当日は開幕作だけを上映するから普通に初日と言える)映画の殿堂・ハノルヨン劇場で上映されました。午前10時上映でかなり大きい上映館だったけど満席だったことから青山監督の人気や作品への期待感が感じられました。



上映前、作家と俳優(木下美咲)などスタッフの舞台挨拶がありました。
青山監督は審査委員だから他の行事で登壇出来なかったんだけど上映後のGV(Guest Visit)に登壇することにしました。



映画の背景は1988年川辺にある町です。高速成長から押し出された町は川で魚釣りをして生活しています。この作品は芥川賞を受賞した田中慎弥の小説を原作としています。映画でもでるようにこの作品は太平洋戦争に敗北した日本の天皇を批判しています。その為ある右派の人から避難されたこともあったこの作品を青山監督は映画化しました。





一見父と息子の映画に見えるけどストーリーを導いているのは女性です。元妻は自分が家を出ても父の女遊び(暴力をふる)が止まらなかったし彼の血が流れる遠馬も女に暴力をふると直感しました。父の元妻(遠馬の親母なのにお母さんと呼ばない)と父の愛人、そして遠馬の彼女はそれぞれの役を果たして無能な遠馬を成長させていきます。



上映後GVで青山監督は観客の質問に『はい、その通りです』『よく思い出せません』と軽く受け流すウィット溢れる人でした。ある女性観客は質問と共に舞台に登壇した俳優とスタッフに小さいプレゼントを渡したりして楽しかったんです。


父と息子(特に女性の介入)に関わる映画は多いですが独創的で印象深い作品でした。原作の影響もあると思いますがさり気なく鰻の頭を包丁で打ち落とすようなシーンの流れは監督の才能でしょう。早く韓国で公開するといいですね。





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