気持ちのいいくらい晴れた一日でしたね。
こんにちは。
藍絃涼です。
今日、朝からサークルがありまして。
昼過ぎに終わって、帰宅途中にあった
不思議な出来事。
自転車で駅から家まで帰るんですが、
家に着くまでの道のりがなかなかの上り坂。
サークルで疲れた俺は一旦の休息で
とある公園に入りました。
なんてことない小さい公園です。
ベンチに腰掛け、滑り台と砂場を眺めてました。
ほかに目をやるところがないからです。
時折心地の良い風が鳥の声と一緒に吹き抜けます。
しばらくぐだぐだしていると
「隣いいかな」
とおじさんが突然現れました。
断る理由もないのでどうぞと頷くと
「腰が悪くてねえ、歩く練習してるんだ」
とつぶやきながら腰を下ろしました。
あとに89歳なんだ、と言ってましたが
見た目はどうやっても70歳にしか見えません。
相当にお若い。
彼は「つまらない話をしていいかい」と聞いてきました。
瞳の色は濁った青色。
その眼を見て大丈夫ですよと返しました。
彼が話したのは息子の話と戦争の話。
本州と外国と北海道を転々とする子供。
落とされた原爆。
死体運びをやらされた終戦前の六日間。
戦争が終わった後の仕事探し。
色々あった中でも、
特に印象に残っているのは友達の話です。
「いつだったかな、私が19歳くらいのころに競技会があったんだ。
今で言う運動会みたいなものだね。私はもちろん参加した。
こう見えてもあのころは結構運動ができたんだ。
友達のヒラヤマってやつといつも上位を競っていたよ。
私は走り高跳びと徒競走をやったんだけどどっちも負けてね。
私は二位でヒラヤマが一位。あいつはすごい奴だったよ。
20歳になって私は兵隊になって、彼はどこかの学校に通ってた。
その学校ってのは広島にあったんだね。
噂じゃあいつは陸上をやってるって話だった。
数年後に戦争が始まった。そして原爆が落とされた。
そのときの私は結構いい位置っていうか、偉い兵隊だったんだ。
だから山梨から広島まで偵察に行くことになった。
三人の部下を連れて私は向かった。途中からは川に入った。
流れる川に身を任せて突き当たると、大量の死体に出会ったんだ。
小さな船を借りて死体の引き上げをやってた。
あれは6日くらい続いたよ。終わった次の日が終戦だった。
やってて頭をよぎるのはヒラヤマのことだ。
ま、結局は死んじまったんだけどね。
原爆にあたったらしい。
あいつかけっこ早かったんだけどなぁ。
死んじまったよ。」
今まで見たことのない表情を俺は見ました。
形容しがたい顔。
頷くことしか出来ずにその話を聞き終わると、
「つまんない話して悪かったね、帰んな」
と言われました。
何か聞きたかったけれど
どこか聞けない雰囲気でした。
仕方なく立ち上がり、お礼を言ってチャリを押します。
もう少し聞きたかったな、とか、
知らなことばっかりだな、とか考えながら歩を進めます。
七歩くらい歩いたところで
腰お大事にって言ってないな、
と思っておじさんを振り返りました。
いませんでした。
( ゚ ▽ ゚ ;)…?
もう謎です。笑
腰が悪いって言ってたのにもういない。
見渡しても人影もありません。
なんだったんでしょうね。笑
ためになったには違いありませんが……。
不思議な体験でした。