【由颯 愛妃(崩壊・入院・過食嘔吐・買い物依存・恋愛モルヒネ①)】

 

 

強制終了となった私は入院した

 

 

嘔吐を繰り返し水分すら摂取出来ない

 

 

でも、どうでもよかった

 

 

総合診療科で身体中を検査された

 

 

病気よ見つかれと祈った

 

 

だけど

 

 

病気は見つからず

 

 

原因も見つからず

 

 

大量にロキソニンを飲んでいたのに

私の胃は健康そのものだった

(ピロリ菌はいたけど)

 

 

健康な自分を呪った

 

 

まだ生きろということなのかと

 

 

最終的に原因が分からなかったので

心療内科にまわされて2週間入院した

 

 

今までの経緯を説明すると

心療内科の医師に言われた

 

 

親と子の役割が逆転していますね

 

 

なるほどーと思った記憶がある

 

 

医師から話を聞いた

母は怒り狂っていたが

 

 

2週間の入院という現実逃避を終え

私は大量の薬と共に自宅に戻った

 

 

その後

半年の間に2度入院した

 

 

同じく食事が全く摂れなくなって

 

 

原因はもちろんストレス

 

 

薬の副作用で

あっという間に30キロ太った私は

過食嘔吐になった

 

 

最初はストレスで

食事が摂れなくなった

水分さえも拒否した

 

 

それが今度は

意図的に拒否

 

 

食べても吐く

 

 

吐くために食べる

 

 

吐きたくて食べる

 

 

嘔吐時の快感を求め

私は食べた

 

 

生活はめちゃくちゃ

 

 

人前で食事が摂れなくなった

 

 

お昼休みは会社のロッカーで

こっそりラジオ体操をした

 

 

生きるために吐いた

 

 

死ねないから食べて吐いた

 

 

死にたくて食べて吐いた

 

 

そんな私を

母は見て見ぬフリをした

 

 

気づいたら醜い姿になっていた

 

 

ますます生きる事が嫌になった

 

 

ある時突然

私はダイエットをはじめた

 

 

スイッチが入ると

全力仕様となる私は

まず、食欲抑制剤の

サノレックスを処方してもらった

 

 

極端に食事を避け

通勤を往復徒歩にしたり

縄跳びやウォーキングをした

 

 

食欲が襲ってきた時は

過食嘔吐も引き続きした

 

 

毎日素っ裸で

朝夕と体重計に乗った

 

 

朝より0.2キロ増えた

 

 

昨夜より0.2キロしか減っていない

 

 

体重計に映し出される数字に

一喜一憂した

 

 

とことん自分を追い込んだ

 

 

追い込んで

 

 

追い込んで

 

 

責めて

 

 

責めて

 

 

約1年で

増えた分以上に痩せた

 

 

確か

マイナス35キロだったかな

 

 

大好きなお洋服を

着れるようになった私は

お給料を洋服につぎ込むようになった

 

 

気に入った洋服は色違いで買った

 

 

着れる事が嬉しくて

 

 

いろんな洋服を

着れる事が楽しくて

 

 

クローゼットの中は

洋服でいっぱいになっていった

 

 

毎日毎日会社へ何を着て行こうか

考える事が楽しかった

 

 

毎日毎日会社のおじさまたちに

可愛いねって言われる事が嬉しかった

 

 

そんな時

会社で気になる人が出来た

 

 

好きな人が出来るのは

約10年振り

 

 

名前も知らない

ただの顔見知り

 

 

彼に会える日が楽しみで

彼に会えると嬉しくて

 

 

彼とは同じ建物だったけれど

勤めている会社は違った

 

 

当時勤めていた会社はIT系だったので

出勤時にロッカーで

私物を透明のバッグに入れ替える

決まりだった

 

 

朝からロッカーで彼に会えた日は

テンションMAXだった

 

 

その反面

金曜日や長い連休が嫌だった

 

 

だって

彼に会えないから

 

 

淡い恋心が燃えさかる炎になるまでに

そんなに時間はかからなかった

 

 

顔見知りだから挨拶はするし

なんなら

「今度ランチでも!」

なんて会話もするようになって

 

 

たまたまバス停で

雨宿りしていた時に

「今度俺ん家で雨宿りしなよ」

って言われて

 

 

こういう軽い

ナンパかよっていうノリは

大嫌いだったはずなのに

彼からの言葉は

嬉しくてたまらなかった

 

 

彼との距離が

近づけば近づくほど

彼と会えない事がストレスで

 

 

彼に会いたくて

 

 

彼とお話がしたくて

 

 

行動した

 

 

名前と電話番号

LINE IDを書いたメモを

通りすがりに渡した

 

 

その日の夜に彼からLINEが届き

翌日が土曜日だったので

早速ランチすることになった

 

 

お昼に会ってランチして

夕方バイバイして

 

 

お家に帰って

洗濯物を取り込みながら

 

 

仮面をかぶりまくってしまったことを

すごく後悔した

 

 

後悔したまま

次がなかったら嫌だと思った

 

 

彼に連絡した

 

 


バイバイして1時間後くらいに

また会った

 

 

軽く飲みながら話をして

 

 

昼間は仮面をかぶった

対応をしてしまい

後悔したくなかったから連絡した

また会ってくれてありがとうと伝えた

 

 

彼は

うんうんって話を聞いてくれた

 

 

もうさ

この時点で大好きだよね

 

 

もともと感じてはいたけれど

彼とは懐かしい感覚があって

 

 

初めて会った感じがしなかった

 

 

当時はあまり知識がない中で

ソウルメイト?ツインソウル?

だと信じきっていた

 

 

彼が運命の人だって

信じて疑いもしなかった

 

 

痩せて

自分の外面に自信を持っていた私は

完全に

ハンタースイッチオンだった

 

 

猪突猛進で

ドドドドドって攻め込んだ

 

 

サッカーのドリブルなら

最終ラインから一気に攻め込んで

ゴールを決めるくらい

 

 

とにかく果敢に攻めた

 

 

攻めて攻めて攻めまくった

 

 

今までは責めていたけれど

 

 

こんどは攻めた

 

 

それが

私の幸せに繋がると

信じて疑わなかったから

 

 

まぁ

彼には彼女がいたんだけれど

遠距離恋愛中の彼女が大阪にいた

 

 

彼より4つ年上のバツイチ子持ち

 

 

くどいようですが

痩せて

自分の外面に自信を持っていた私は

年上のバツイチ子持ちになんか

全く負ける気がしなくて

 

 

奪う気満々で

彼と会うようになった

 

 

毎日LINEのやりとりをして

 

 

仕事後にお茶や飲みに誘って

 

 

最初は

打率3割くらいだったけれど

 

 

たまたま時間が合ったり

自然と会える機会が続いて

 

 

お休みの日に

デートする関係になって

 

 

ここまで約2週間

 

 

彼とデートを

重ねるようになってからは

私に寄り掛かる母から逃げるように

彼の住むアパートに転がり込んだ

 

 

ここまで約1か月

 

 

ってな感じで

遠距離恋愛の彼女がいる人と

ほぼ付き合っているような状態になり

同棲生活がはじまった

 

 

約10年振りの

大好きな人の存在に

私のテンションはMAX~~~

 

 

父からも

重たい母からも逃げる事ができ

私のテンションはMAX~~~

 

 

朝は一緒に出勤して

 

 

社内でスレ違ったら

微笑み合って

 

 

会社帰りに映画を見たり

 

 

お家で一緒に

お料理をして食事をしたり

 

 

その日あった事をお互いに話したり

 

 

くっついて一緒にテレビを見たり

 

 

家事を全て終わらせて

彼の膝の上で

ゴロゴロぬくぬくする時間が

大好きだった

 

 

生まれてはじめての

安心安全の時間だったと思う

 

 

彼の事が

大好きで大好きで大好きで

 

 

彼のぬくもりが

あたたかくて、心地よくて、嬉しくて

 

 

幸せだった

 

 

約1年は

 

 

付き合いも2年目に入ると

彼との楽しさや幸せ

安心安全の関係が

当たり前になってきた

 

 

そうすると

どうなるかっていうと

 

 

いろいろな事が

目につくようになった

 

 

まず最初に

私と仲良しで安定しているくせに

遠距離恋愛中の彼女と別れない!

 

 

私には

全く理解不能だった

 

 

だって

大阪の遠距離の年上バツイチとは

私と付き合ってから

1回も会っていない

 

 

ただのメル友



単なるメル友

 

 

彼は

年上バツイチからのお誘いも

丁重に断っていた

 

 

え?

 

 

なんで断っているのを

知っているかって?

 

 

たまたまね

暗証番号を入力している所を

目にしてしまい

 

 

知った以上

我慢出来なかった…

 

 

ハイ

 

 

携帯チェックしていました…

 

 

 

まー

その件でもケンカしたよね

 

 

携帯チェックじゃなくて

年上バツイチと

ケジメをつけてくれない件で

 

 

携帯チェックの件は

しばらくバレなかった

 

 

だけど

めちゃ苦しかった

 

 

あれ

一度やるとダメね

 

 

ほら

私は感が鋭いからさ

 

 

ちょっとおかしいと感じると

手が勝手に伸びていた

 

 

彼の隣で眠る時間が

幸せだったのに

 

 

彼が眠ると

携帯チェックの時間になっていた


 

こわっww

 

 

おもっww

 

 

いやーね

ドン引きは百も承知です

 

 

批判も承知です

 

 

それでも

携帯チェックをしてしまっても

その時の私は彼と幸せになりたくて

必死に生きていた

 

 

でもまぁ

偽りの幸せは長くは続かなかった

 

 

ケンカする頻度が増え

 

 

彼の手が出るようになり

 

 

彼から

「俺の前から消えてくれ」

と言われるようになり

 

 

私は過呼吸に苦しむようになり

 

 

彼とケンカすると

泣きはらした顔とひどい落ち込みで

仕事に行けなくなり

 

 

日中仲直りするも彼が帰ってくると

またケンカして

 

 

 

ビデオを再生している?

 

 

ドラマか映画を撮影している?

 

 

っていうくらい

おんなじ日々を繰り返すようになった

 

 

その頃から

2人してパチンコにハマるようになって

 

 

パチンコで勝つと仲良しで

 

 

パチンコで負けるとケンカして

 

 

彼がパチンコで勝つと私が怒り

 

 

私がパチンコで勝つと彼が怒り

 

 

二人の関係は

パチンコの結果に

左右されるようになった

 

 

もうね

この頃になると

彼との関係は破綻している


 

依存し合っているって

分かってた

 


きっと

私が別れようって言ったら

彼はすぐに別れたと思う

 

 

だけど

私が彼から離れられなかった

 

 

夜彼が眠った後の

携帯チェック…

 

じゃなくて

 

 

夜彼が眠った後の

彼のぬくもりが恋しくて

 

 

彼の隣で

彼の人肌を感じて

眠る瞬間が心地よくて

 

 

安心で

 

 

偽りの安心

 


ごまかしの安心って

分かっていたけれど

 

 

どうしても手放すことが出来なかった

 

 

とはいえ

 

 

こんなごまかしで偽りの関係に

終わりが来ることは

分かっていたけれど…

 

 

 

つづく