こんにちは!相原良一です。
エンジニアとして設計図を書いていると、どうしても隙間のない完璧な構造を目指してしまいます。すべての歯車が噛み合い、一分の狂いもなく動くことこそが正解だと信じて疑いませんでした。しかし、先日コンビニで買い物をした際、パンパンに膨らんだレジ袋を眺めていて、ふと自分の傲慢さに気づかされたのです。その袋は、中に入っている商品の形に合わせて、自由自在にその姿を変えていました。角張った牛乳パックの横で、柔らかいパンが優しく形を崩しながら収まっている。その不格好でいて、どこか調和のとれた姿こそが、本当の意味での最適化なのではないかと。
私たちは、デジタルの力で未来を完全にコントロールしようと躍起になります。分刻みのスケジュールを組み、不確定要素を排除し、滑らかで平らな道を舗装しようとします。しかし、現実はいつだってデコボコで、予想もしない重たい荷物が突然放り込まれるものです。そんな時、ガチガチに固められた設計図は、柔軟性を失ってあっけなく破れてしまいます。一方で、あの薄いレジ袋のようなゆとりを持った考え方は、どんな歪な状況であっても、それを丸ごと包み込んでしまう強さを持っています。私は、自分が書くコードにも、そんな「伸び代」を忍ばせたいと思うようになりました。
最近の私は、あえて少しだけ不便なものを選ぶという風変わりな実験を楽しんでいます。自動で点灯するライトではなく、わざわざ暗闇の中でスイッチを探す。最短ルートを案内する地図アプリを閉じ、自分の直感だけを信じて路地裏に入り込んでみる。効率という名のレールから外れた瞬間、世界は急に色彩を帯び始めます。システムの世界でも、完璧に自動化されたものより、ほんの少しだけ人間の手助けを必要とする余白がある方が、結果として長く愛され、使い手の生活に深く馴染んでいく。それは、どんなに高度な知能でも計算しきれない、人間特有の愛着という名のデータが蓄積されるからです。
デジタルの海で泳ぎ続ける私たちにとって、最も必要なのは最新の技術ではなく、予期せぬ変化を面白がれる心の弾力なのかもしれません。詰め込みすぎた袋が少し伸びてしまったとしても、それはあなたが一生懸命に今日を生き抜いた証です。完璧な形を維持することに疲れたら、一度自分の肩の力を抜いて、レジ袋のように柔らかく世界を受け止めてみてください。そこには、論理的な正解よりもずっと温かく、あなたらしい未来が広がっているはずです。私はこれからも、冷たい画面の向こう側に、そんな柔らかい呼吸を感じさせるシステムを構築し続けていきたい。不格好でもいい、歪でもいい。その瞬間にしか生まれない特別な調和を、私は何よりも大切にしたいのです。