今日は午前中に某所で打合せがあったのだが、時間があったので、開園したばかりの牽牛子塚古墳へ。八角形の大型古墳(天皇陵)が完全復元されている。
まぁ、賛否あるだろうが、これが本来の姿。自然の森のまま残すということも考えたが、八角形の形が解らない。
一番問題となったのは、墳丘の土が脆くて、そのままでは維持できないことがわかった。それを示すように、墳丘の一部が崩れるという事態もあった。
そこで考えたのは、墳丘をスッポリと覆う施設で、これを八角形にしてはどうかというもの。施設の中で、土の墳丘に屋根をかけた形。しかし、これも地盤的に無理だとわかり、現状墳丘をパックするように施設で覆う案になった。しかも、当初の墳丘形態を正確に復元し、凝灰岩切石を貼ったもの。
古墳の作られた頃は、このように真っ白な凝灰岩貼りの八角形墳だった。
確かに、今までの姿を見慣れているので違和感はあるが、前方後円墳も、一部地域で復元されているとように、石葺の姿。緑の森ではない。本来の古墳の姿を理解することも、一部では必要と思う。
墳丘をそのまま残せばよいという意見もあったが、既に崩れかけている。そのまま放置するのも一案ではあるが、危険な状況であることがわかった以上、ほっとけない。何らかの処置が必要。高松塚でも経験した、保存の理念と技術の問題である。高松塚壁画も、そのまま触らず、傷んでいくのを見届けよう、という意見もあった。しかし、そういうわけにもいかない。出来得る限りのことはしようと、解体になったのである。
牽牛子古墳も、同じ問題を抱えていた。なんとか保護しながら、当初姿を復元する一例になったものと考えるが、その是非は、100年後の子どもたちが判断するのであろう。
でも維持管理は大変だなぁ。今は白い凝灰岩だが、露天にあるので、直ぐに黒くなりそう。