今年もあと2日になったので、恒例の今年のお仕事1である。
今年は、とくに新論文はないが、待望の単著『古代飛鳥の都市構造』を刊行した。この中に新稿もいくつか書き下ろしたが、一番苦労したのは、飛鳥と近江京論文を初稿執筆後、20数年のデータを追加して再検討したこと。ほとんど書き直しであるが、20数年の調査成果は膨大である。しかし、分布図を再作成すると、ドットの数は増えるが、分布傾向としてはあまり変化はない。考え方としては間違えてないようだ。ただし、初稿執筆後の見解の変化もあり、他の論文でも初稿のままではない。現在の私の見解は本書である。ただし、ボリュームの関係で、個別遺跡論までは掲載できなかったのは残念である。
報告書は、久しぶりに1冊刊行。高松塚解体に伴う調査報告である。もっとも、書いたのはかなり前。書いた本人も何を書いたか忘れてしまう。いずれにしても私の最後の10年前の現場であった。
この他には讀賣新聞に飛鳥検定関係の原稿4偏。そして恒例の遊歩マガジンは、孝徳朝がこれで終わり、斉明朝に突入である。旬は藤原宮大極殿院・飛鳥寺西・小山田古墳・山田道・四条遺跡と最新成果の紹介とポイント解説である。

(論文)
・『古代飛鳥の都市構造』(単著()
(報告書)
・『特別史跡 高松塚古墳発掘調査報告-高松塚古墳石室解体事業にともなう発掘調査-』(共著)
(その他)
・「キトラ古墳壁画を読み解く」『明日香 明日香村文化協会会誌 第39号』
・「キトラ古墳の世界」『橿原ロータリークラブ会誌』
・「飛鳥学-冠位叙任試験より3・4・13・14-」『讀賣新聞』
・「飛鳥・藤原の考古学 孝徳朝の王宮と改革8~10)」(飛鳥遊歩マガジン)
・「飛鳥・藤原の考古学 斉明朝の王宮と王都造営 その1~3」(飛鳥遊訪マガジン)
・「飛鳥・藤原の考古学 大極殿を取り囲む回廊と四つの門」(飛鳥遊歩マガジン)
・「飛鳥・藤原の考古学 広場の辺りに建つ高層建物」(飛鳥遊訪マガジン)
・「飛鳥・藤原の考古学 小山田古墳の出現」(飛鳥遊訪マガジン)
・「飛鳥・藤原の考古学 小山田古墳の巨大な石室」(飛鳥遊訪マガジン)
・「飛鳥・藤原の考古学 新山田道の築造から古山田道を考える」(飛鳥遊訪マガジン)
・「飛鳥・藤原の考古学 四条遺跡からみる藤原京研究の画期」(飛鳥遊訪マガジン)