「大化改新の真実」(2016)
『明日香-明日香村文化協会々誌 第38号-』
明日香村文化協会
大化改新はあったのか?この時期に実践されたのか?などを検討するにあたり、難波長柄豊碕宮の造営過程から、間接的に考えた小論である。従来、難波宮は大化5年頃に造営がはじまり、2~3年で完成したとされていた。
しかし、前期難波宮は空前の規模を誇り、わずか2年程で完成するかと疑問をもっていた。そこで、史料を詳細に検討すると、乙巳の変の半年後には、造営計画があり、大化2年3月頃に造営が始まったと推定された。そして、6年10ヶ月をかけて完成した。これは、改新の詔とほぼ同時に難波長柄豊碕宮を計画・造営を始めていたことになり、前期難波宮は大化改新を実践しようとしたことを示す大宮殿であることがわかる。