「嶋宮をめぐる諸問題-島庄遺跡の発掘調査成果とその意義-」
『明日香村文化財調査研究紀要 第10号』(2011年)
明日香村教育委員会

 島庄遺跡の調査成果と文献史料にみる嶋家・嶋宮との整合性を整理した論考である。
 島庄遺跡の一連の調査成果を整理し、遺跡を北部・南部・西部・東部・東橘地区に区分し、時期こどの変遷を検討した。各地区にはそれぞれ性格が異なっていることを明らかにした。北部地区は苑池を中心とした地域、南部は建物群が集中する地域、西部は経済基盤にかかわる地域、東部は古墳に関わる地域、東橘地域は宮殿クラスの施設がある地域とした。これらを嶋家・嶋宮の史料的変遷に重ね合わせることにより、この地域の解明に努めた。