天皇の和風名や漢風名。たしかに推古や持統については有名だが、他の天皇の名前の由来については、あまり考えたことがなかった。この本は、歴代天皇の名前の由来を考察した図書である。
これらの名前は、最初からあるのではなく、飛鳥時代の天皇に関して言えば、和風は殯の時に命名され、漢風は奈良時代後半に命名された。その時折の人々が、天皇の事跡を考慮し、中国の故事などを参考に命名したという。
「古をおしはかる」推古、「のべ明らかにする」舒明、「君主としてのあるべき姿が保たれた」皇極、「孝道をおこなう」孝徳、「ものいみをして心を正しくする」斉明、「天があたえた智慧」天智、「学問を世にひろめる」弘文、「天を司る武」天武、「王統を守りたもつ」持統、という。
命名した時の天皇のイメージ・評価がここに読み取ることができるのである。まだ、途中までしか読んでいないが、おもしろい。
・遠山美都男 『名前でよむ天皇の歴史』 朝日新書 2015年1月刊行


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