さて、昨日は久しぶりの都城制研究会を聞きにいった。
今回のお題はふたつ。一つ目は「当て具痕跡の地域性に関する研究展望と課題」。もうひとつは「長岡宮嶋院考」である。
 
前者は、難波で確認された特殊な当て具痕跡の話であるが、その系譜は朝鮮半島に求められるという。そして、これらは近畿では少ないが、北部九州では比較的みられるという。つまり朝鮮半島由来の当て具(工人?)が北部九州から難波へともたらされたと考えられるとのこと。しかし、甕の内面の当て具痕跡は、報告例も少ないので、見落とされている可能性は高い。よく観察することが必要であるという問題提起でもあった。
 
一方、後者は、長岡宮西部にある複廊遺構の話。報告書では、「西宮」の可能性が指摘されていたが、今回の報告では、「西宮」ではなく、「嶋院」の可能性が高いとする。外部の我々にとっては、報告書の記載をすぐ信じてしまうが、このように異論があることをはじめて知った。我々としては、関係者での徹底討論をぜひして、再検討を示してもらいたいところである。その後の宴会でもこの点は話題となり、結論は、大極殿院の西側と北側を調査すべきだということになった。
 
しかし、研究会とその後の懇親会は、非常に有意義で、楽しいひとときであった。ちと、飲み過ぎたが……。