「飛鳥の風景⑤-古代飛鳥の住宅事情-」
『共栄 No.114』
(2002年)
共栄社化学株式会社
 
この「飛鳥の風景」連載の最終回は、飛鳥地域の邸宅を考えた。
まず、藤原京の邸宅について紹介し、次に飛鳥の邸宅遺構をみた。残念ながら飛鳥の邸宅の全貌がわかるの例は、五条野向イ遺跡・五条野内垣内遺跡、そして雷丘北方遺跡くらいしかない。他は建物ひとつであったりと部分的なものばかりである。そこで、建物や柱穴規模・柱間寸法から、これらをランク付けして、その分布の配置をみたものである。基本的には飛鳥の盆地内には邸宅はなく、その周辺の山間部、さらに後の藤原京域に広がることがわかった。