7月のフォーラムに向けて、隼人のお勉強を、ぼちぼち始めた。
今度、講演をしていただく永山修一氏の著書である。今では、隼人研究の第一人者になりつつある方であるが、これまでの論考を体系的にとりまとめた著書である。古墳時代から平安時代までの南九州の隼人について、時系列に整理されている。「隼人」と呼ばれる経緯やその性格は、律令国家が位置づけたものにほかならないという。そして、南九州を律令国家に編入する過程で、隼人との戦いもあり、大隅国・薩摩国の成立過程にも密接に関わるという。これまでの私のイメージでは、蝦夷と同じ辺境の地としか思っていなかったが、そう単純ではないようである。時代とともに「隼人」とされ、そして律令国家に組み込まれることによって、「隼人」は終焉する。このような歴史を飛鳥からみればどうなるのであろうか?当然、7世紀だけでなく、8世紀を含めた認識が必要である。このあたりは、田辺先生が話してくれるであろう。
いずれにしても、永山さんの著書は、現在の「隼人」研究のスタンダードであることは違いない。もう少し勉強しよう。
・永山修一著 『同成社 古代史選書6 隼人と古代日本』 2009年刊行 同成社