「キトラ古墳30年の歴史」
『明日香 第35号-明日香村文化協会々誌-』 (2013)
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今年はキトラ古墳壁画が発見されて30年目の節目の年である。昨年の高松塚壁画発見40年に続き、キトラ古墳の調査の軌跡を記してみた。
キトラ古墳の調査は、まさに最新科学を使った調査であったはずだが、これは高松塚が成功例としての前提に事業が動き出したのである。しかし、実際は高松塚にも大きな問題があったが、情報公開がうまくいかなかったため、その成果はキトラに十分に活かされなかったのである。壁画古墳を守のは容易なことではない。たゆまない努力と研究が、今後の壁画古墳の現地保存に繋がるのである。そんなことを考えさせる文章になっていれば幸いである。