出雲は今年の夏から秋にかけて、「神話博しまね」が開催される。古事記1300年は、奈良だけでなく、出雲も力を入れているようだ。出雲大社も来年が平成大修理で遷宮の年で、今回も覆屋があり、その勇姿は観れなかった。数年前に行ったときも観れなかったが……。
出雲大社の隣には、県立古代出雲歴史博物館がある。この博物館の展示の3本柱は、出雲大社と青銅器群と石見銀山である。青銅器群は荒神谷と加茂岩倉がずっしりと並んでいる。まさに圧巻の展示である。しかし、個人的には出雲大社にかかわる展示に興味がある。出雲大社は当初、東大寺大仏殿を越える超高層建築だったらしい。発掘でも中世出雲大社の巨大な柱を3本束ねたものが出土している。そこから階段も伸びていたと想定されるが、トレンチひとつ入れれば、階段の柱列がすべて確認できるのではないかと思ってしまう。
一方、1年半前に出来たばかりの「出雲弥生の森博物館」は、西谷墳墓群のガイダンスをかねた施設である。整備された西谷墳墓群は四隅突出型で、整備手法は、完全復元、一部復元、芝張り復旧と様々である。ここでももっとも残りの良くなかったものを、完全復元しており、墳丘内部を一部展示空間にしている。これらの出土遺物は博物館で展示されている。この施設はまず、埋文センター機能と博物館機能に分かれている。文化財課の行政機能も埋文センターに含まれている。一方の博物館機能もさらに展示空間と体験活動空間に分かれている。これらはすへて無料であるのはうれしい。体験活動空間は、無料であることから子供達がたくさん来ており、それをサポートするお姉さんもたくさんいた。このような活気ある施設は良い。埋文センターと展示施設と体験活動施設、そして野外施設公園が一体となった、トータルな施設が理想的なのであろう。しかし、苦労も垣間見える。公園の管理や施設の活動方法、維持費などのランニングコストも高くつく。ここまで継続的に面倒をみれるかが、キーポイントのようだ。



