『額田王』…の巻 最近の読み物では『額田王』がある。先にご紹介した上野誠氏の著書とも関わるが、天智天皇挽歌群をはじめ、特に有名なのは、「熟田津に…」の歌であろう。この本では額田王の万葉歌ももちろん登場するが、むしろ人間額田王を、その人生や歌から読み解いているのである。飛鳥時代の女流作家では、歴史上においても額田王の存在は重要かもしれない。歴史を少し違う視点でみるという点においておもしろい。 ・梶川信行著 『額田王』 ミネルヴァ書房 2009.11刊行