飛鳥の実態解明には、その前史の解明が不可欠である。しかし、7世紀以前の王宮・王都の実態はなかなかわからない。そんな中でも、大王宮・大王都ではなく、地域の王の王宮・王都については、興味深い調査事例がある。葛城地域である。これまでに報告書も多く刊行されているが、なかなか全体をみるにはむずかしかった。そんな時に良い本が刊行された。『葛城の王都-南郷遺跡群-』である。簡略・明快に、この遺跡群について記されている。この遺跡群の成果が、古墳時代の王都のひとつの定点なるのは間違いないであろう。
・坂靖・青柳泰介『葛城の王都-南郷遺跡群-』新泉社2011.10刊行
第一章 葛城の王都
第二章 姿をあらわした「王都」
第三章 王のまつり
第四章 王をささえた手工業生産
第五章 葛城の王を追って
