『宮都飛鳥』なる図書が刊行されている。数年前に橿原考古学研究所附属博物館で開催された特別展に関わる講演会や研究所の公開講演会の内容である。特に、講演会に行けなかったものとしてはうれしい。ここでは東アジア的な視野が多く盛り込まれている。飛鳥の都を、東アジア文化圏の中に位置づけるのは重要な視点であろう。もっとグローバルな視野をもたなければと思う今日この頃である。
橿原考古学研究所附属博物館編 『宮都飛鳥』 学生社 2011.3刊行
序 章 飛鳥京跡における考古学調査のあゆみと画期(松田真一)
第一章 発掘された飛鳥京
・飛鳥浄御原宮の所在地を求めた考古学者(菅谷文則)
・飛鳥京跡の調査(山田隆文)
・島庄遺跡と飛鳥京苑池-飛鳥の苑池をめぐって-(ト部行弘)
・飛鳥京跡から出土した木簡(鶴見泰寿)
第二章 東アジア世界と飛鳥
・遊牧民族の制服王朝と条坊制都城の成立(蘇哲)
・唐代の長安と洛陽-陸の都と水の都-(妹尾達彦)
・古代朝鮮の都城(山田隆文)
第三章 日中韓の都城研究と飛鳥
・「飛鳥京」と藤原京-東アジアの中の飛鳥-(林部均)
・隋唐東都洛陽城の考古学発掘と研究(韓建華)
・唐代皇帝陵と唐長安城(張建林)
・泗沘期の百済都城と寺刹(金洛中)
・新羅の王京と王陵(李柱憲)
・飛鳥京跡の発掘(和田萃)
シンポジウム 飛鳥宮と東アジアの都城
