
昨日の研究会で『条里制・古代都市研究 第25号』を頂いた。基本的には昨年の報告内容に、新たな報告・論考が掲載されている。昨年の研究会でも思ったが、佐藤氏の後期難波宮はおもしろい。こうやって文章化されると、より理解が深まる。後期難波宮の造営には二段階あって、最初の造営では内裏地区や西方官衙地区が建設、第二段階では西方官衙地区の改変と大極殿・朝堂院の建設がなされる。これによって、平城宮東区上層との関係も興味深いものになるのである。この他にもタンロン皇城の報告も大作である。ぜひ、ご一読を……。
『条里制・古代都市研究 第25号』条里制・古代都市研究会2010.3
・小笠原好彦「聖武と宮都の造営」
・森下 衛 「恭仁宮の諸問題」
・佐藤 隆 「後期難波宮の造営過程と副都説の再検討」
・小田裕樹 「藤原宮朝堂院朝庭の発掘調査」
・村田晃一 「陸奥・出羽における版図の拡大と城柵」
・高椅 学 「辺境における条里制遺構」
・井上和人 「ベトナム・タンロン皇城遺跡の宮殿遺構」
・櫻井信也 「近江国滋賀郡条里復元の再検討」
・入倉徳裕 「京南辺条条里と平城京朱雀大路。下ツ道の関係について」