紹介されている論文の結論としては

・ビタミンA、C、E、レチノールの総摂取量とART妊娠・出生率の間に関連は見られなかった

・食事由来のβ-カロテン摂取量が多いほど、出生率は低く(P trend = 0.03)。

摂取量が最も多い群では22%、最も少ない群では50%であった。

・ルテインやゼアキサンチンについても同様の結果が得られた。

・なおサプリメント由来のβ-カロテン摂取量とART妊娠・出生率の間に関連は見られなかった。

(リブログ先より引用)

とのこと。

ちなみに調査のタイトルとなっているEARTH studyとはこれのことらしい。

https://www.hsph.harvard.edu/earth/

 

同じスタディからの以下の報告も興味深い。

Gaskins AJ, et al. 

Dietary patterns and outcomes of assisted reproduction. 

J. Obstet. Gynecol. (2019); 220 :567 doi:10.1016/j.ajog.2019.02.004

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30742825/

 

調べてみたら解説があったので頼ってしまう。

https://www.chiba-aa.com/blog/76.html

ハーバード大学の研究チームは、これまでEARTH研究などを通して、栄養素や食品とART治療成績との関連データをベースにした食べ方がアメリカでART治療に臨む女性にとって適切ではないかとの仮説を立て、これまでの研究データから"pro-fertility"食事パターンを考案し、地中海食やAHEI-2010食、FD(ファティリティダイエット)食の4つの食事パターンとART治療成績の関連を比較しました。

その結果は大変深いもので、仮説通り、"pro-fertility"食が最も良好なART治療成績と関連しました

(直前のリンク先より引用; 太字は筆者)

 

興味深いのは、2007年に発表された「Fertility diet: 排卵障害不妊症のリスクの少ない食事」とは異なる食事である"pro-fertility diet"なるもののスコアが出生率の増加と相関しているということ。

この研究では、調査対象の人々の食事が、4つの食事パターンにどれだけ似ているかというスコアでグループ化し比較しているので、Fertility dietとpro-fertility dietがどれだけ違うかというと注意するもんがちがう、と言うしかないので、このままなにか真似できるかというと難しい。(葉酸、VB12、VDあたりは驚くことではないし、アメリカでも大豆が有効なのなら摂ればいいのかもしれない。一方、魚介の割合はアメリカの食事と日本で全く違いそうなので、このまま採用するわけにいかなさそうだし。)

しかしながらきちんと調査してみれば「ART治療において出生率が上がりそうな食事」というのが出てくる、というのにはいろいろと期待してしまう。日本でも調査してほしい。ほんとうに。