前からずっと言ってきたけど
二郎兄さんは体格が本当にいい。
子供の時でももちろん大人になった今も軽くふた回りくらいデカい。
そんな二郎兄さんをオヤジは野球選手としてそだてたかったんだろう。
俺と二郎兄さんが小学生3年生、4年生の頃
テレビは野球観戦かニュースばかり見ていたオヤジは急に二郎兄さんを野球選手として育てようと決めた、、、らしい。ww
俺が小学生の頃は家が町の高台あったから、結構は坂を上ったり下がったりは小学生には大変だった。
‘男の子が3人もおるし、一人くらい野球選手なれへんか?‘と思ったオヤジはいきなりグローブとバット、野球ボールを買って帰った。
本当にいきなりだった。
日曜日の朝6時また俺と二郎兄さんをビンタで起こしては
家の前の坂に集合させた。
‘じゃ!グローブ!はめろ!‘
二郎兄さんには‘ちょっと、そこで見てろ!‘
‘三郎!オヤジがボール投げるからグローブはめた手でつかむんだよ!‘
‘うん!分かった!‘
まあ、オヤジと二郎兄さんと遊べるしいいかと思った。
‘投げるわ!‘
2‐3回オヤジとキャッチボールが出来てうれしかったし子供ながら明日学校でみんなに自慢しようとも思っていた。へへww
‘二郎!見たか?取れるな?三郎、兄ちゃんと変われ!‘
二郎兄さんがグローブを付けて立ってるとオヤジが‘行くよ!ちゃんと取れや!‘
ビュン-!!
うん?初めてだった二郎兄さんはボールを取れず坂道を転がるボールを追っかけた。
ボールを拾ってきた二郎兄さんはオヤジに投げた。
‘もっと強く投げねーか!?‘
うん?俺ら初めてだよな?、、、
‘もう一度行くよ!今回はちゃんと取れや!‘
ビュン--!!!!
めっちゃ早くねーか?汗
当たり前につかめず
‘こら!何やっとんじゃ!!ちゃんとやれや!!!‘
出たよ。すぐ怒る。怖っ!!
そのやり取りを何回か繰り返してオヤジはプンプンで家の中に入った。
俺と二郎兄さんはなんかぼーっとしていた。
なにこれ?いやいやそもそも大人が坂の上に立つの?くずやん?
普通のかる-いキャッチボールから始めろや!
容赦ねーな!くっそオヤジ!
毎週末俺と二郎兄さんを野球選手にするためにオヤジの訓練は続いたものの二人とも腕は伸びず
幼い子供の心に傷だけを残し、
二郎兄さんは未だに野球が嫌いらしい。かわいそう!
オヤジよ。おめーは絶対に天国には行けなかっただろう?