日本政府は16日夜、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言の対象を、これまでの7都府県から全国に広げた。

新たに40道府県で、法律に基づいた外出自粛などの要請を知事が出せるようになる。大型連休を前に、感染拡大の抑制を狙う。
宣言の期限は5月6日まで。今月7日に出された7都府県に合わせた。

安倍首相は16日夜に開いた対策本部の会合で、北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府で感染拡大が進み、これら以外でもクラスター(小規模な集団感染)の発生がみられると説明。

 

「地域の流行を抑制し、ゴールデンウィークにおける人の移動を最小化する観点から、全都道府県を緊急事態措置の対象とすることとした」と述べた。

 

 

また、不要不急の帰省や旅行などで都道府県をまたぐ移動をしないよう、住民に促してほしいと各都道府県の知事に要請。観光施設に人が集中する恐れがあるときは、入場制限を求めるなどの対応を取るよう求めた。

さらに、「この緊急事態を5月6日までの残りの期間で終えるためには、『最低で7割、極力8割』の接触削減を何としても実現しなければならない」とした。
 
首相はまた、緊急経済対策として国民1人あたり一律10万円を給付することを与党で検討するよう、指示したことを明らかにした。7日の時点では「収入が著しく減少し、厳しい状況にある家庭に限って、1世帯当たり30万円を支給する措置を予定していた」ものの、「この際、これに替わり、さらに給付対象を拡大した措置を講ずるべきと考える」と説明した。
 

 

独自に宣言していた県も

安倍首相は今月7日、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づいて緊急事態宣言を出した。
 
その後、愛知県や京都府など、自治体の側から、緊急事態宣言の対象に加えるよう要請があった。愛知県、石川県、福井県などは独自の緊急事態宣言を出していた。
政府は16日、緊急事態宣言の対象拡大の方針を固め、夕方に諮問委員会を開いた。同委員会からは宣言の対象地域と期限について妥当との意見を得た。
 
それを受け、新型コロナ対策を担う西村康稔経済財政・再生相が、衆参両院の議院運営委員会に報告。政府は対策本部の会合を開いた。