「私からお金はいらないよ、と言いました」と話すアヤコさん(仮名・28歳)。清楚で知的な雰囲気の美人妻だ。パパ活を始めたのは3年前。結婚生活に大きな不満があるわけではないが、不倫をする勇気もなかった。そこで辿り着いたのがお金をもらうことで罪悪感を減らせるパパ活だった。

パパ活

※写真はイメージです(以下同)

「将来、子供が生まれて仕事を辞めて……と考えるといつまでも時間があるわけじゃない。パパ活相手との時間はトキメキを取り戻す瞬間です。パパ活アプリに登録した当初はバンバン依頼もきたけど、この3年間でデートのリクエストもだいぶ減りました。  25歳と28歳じゃ需要もやっぱり違うし、金額にこだわって新しいパパを見つけるのはもういいかなって感じです。SEXありでお手当が一回5000円以下でも、今すぐ会える人との関係を大切にしたい」  アヤコさんのように格安でパパ活を行う心理について、援助交際や愛人事情に詳しいライターの中山美里氏は次のように解説する。 「仕事という認識がないから、報酬が少なくてもまあいいかという感覚になってしまうのは、仕方ないのかもしれません。パパ活アプリの誕生によって参入する女性の数が急増したことで、全体の価格が下落。男性もよりいい女性を求めるなか、定期的にお金をくれる人を確保するのは、実はとても大変なこと。今でもパパ活で高い報酬を得ている女性はいますが、それはごく一部です」  結果、“トキメキ”といった金額以上の価値を見いだそうとする、新たな事例も出ているというわけだ。

 

一方、競争の激化で「パパ活疲れ」とも言える状態に陥ってしまったのは、飲食業のノゾミさん(仮名・26歳)だ。 「10代の頃から年上のおじさんにお小遣いをもらったり、食事を奢ってもらうことが多かったんです。だから、もともと“稼ぐ”って意識はあまり強くなかった。  でも、『パパ活』という言葉が生まれてブームになってからは、本当にお金をもらうのが難しくなりましたね。それまでは普通に話しているだけでよかったのに、会話の内容や服装まで、仕事として求められることが多くなった。  私も初めはお金をもらうために、男性に合わせていましたが、ずっと続けるのは無理だと諦めて、今は単発で一回数千円のお手当で我慢しています」 

 

また、貯金を増やしたり、贅沢をするためでなく、生活費を稼ぐという例も出てきている。「旦那の手取りが13万円と聞いて唖然とした」と話すのはマユさん(仮名・26歳)だ。 「20歳も上なので当然自分よりは収入に余裕があるだろうと思い、勢いでできちゃった結婚したんです。しかし、生活を始めてから旦那が恐ろしく低収入だったことがわかった。  おまけにギャンブル依存で借金を100万円以上抱えていたんです。靴下は穴があくまではいたし、100均で買ったバッグを擦り切れてボロボロになるまで使いました」  そんな極貧生活を経てマユさんが出会ったのは、60代で年金暮らしをしている愛人だ。 「SEXを求められることもほとんどなく、いつもデートをする代わりに2000円ほどもらって、食品・日用品に充てています」  相変わらず稼がない旦那にパパ活のことを打ち明けると「いいじゃん、俺のタバコも買ってもらってよ」と言われ、今では夫婦で生活を頼ることに。先日は子供の運動会に愛人も一緒に参加。奇妙な関係を続けている。  女性側にもさまざまな事情があるとはいえデフレ化はいつまで続くのだろう。