脳死と判定され臓器を提供した子どもの両親が無断で移植手術を撮影され精神的苦痛を受けたなどとして、テレビ局などに損害賠償を求める考えを明らかにしました。

 臓器提供した子どもの母親:「まるで息子を物のように扱われた気がしました」

 両親によりますと、おととし5月、脳死判定された男の子の肺の移植手術が岡山大学病院で行われ、その様子を
TBSテレビが撮影して番組で放送しました。両親に説明はなく、番組では男の子の肺がそのまま映され、医師が「もくろみ通り」「軽くて良い肺」などと発言していました。両親は精神的苦痛を受けたなどとして、TBSテレビや病院などを相手に1500万円の損害賠償を求める訴えを起こす考えです。TBSテレビは「訴状を受け取り次第、内容を精査して対応を検討します」とコメントしています。 

脳死移植番組でTBSを提訴 精神的苦痛と提供者の両親

2017年5月に岡山大病院で実施された脳死肺移植手術を密着取材したTBSのテレビ番組に強い精神的苦痛を受けたとして、肺を提供した男児の両親が5日、東京都内で記者会見し、TBSや病院などに対し、損害賠償を求める訴訟を起こすと発表した。4月中旬にも広島地裁に提訴する。

 両親らによると、17年7月に放送された番組は事前の説明もなく、提供者(ドナー)の男児が特定されかねない内容だった。手術のシーンで、肺がモザイクなしに映っていただけでなく、執刀医が「もくろみ通り」「軽くていい肺」と配慮を欠く発言をしていたことも放送し、故人をしのぶ権利などを侵害されたとしている。