日本には全国各地に温泉をはじめ、銭湯やスーパー銭湯などの公衆浴場があるように、ヨーロッパでも北欧やドイツなどの国々にはサウナが街のあちこちにある。しかも、なかには“全裸で混浴”のサウナも珍しくないのだ。
混浴&全裸が当たり前のドイツサウナ
実は、以前からドイツに駐在する日本人ビジネスマンの間では広く知られていた。なぜなら全裸混浴はドイツに多く見られるサウナのスタイルだったからだ。
ただし、誤解しないでほしいのだが、これはいわゆる風俗的ないかがわしい施設ではない。街中や郊外にあったり、中級~高級ホテルの一部はサウナを併設している(※余談だかFKKと呼ばれるドイツの風俗店の多くにはサウナが完備されている)。
実は、以前ドイツを訪れた際、現地駐在員の知人の案内でデュッセルドルフの某サウナに行ったことがある。利用料は25ユーロ(約3120円)とやや高かったが、市内を一望できるホテルの上層階にあり、しかもプール付き。泳ぐ場合は水着着用だが、サウナは全裸での利用だった。
一般的なフィンランド式の高温サウナと低温のスチームサウナの2種類があり、設備自体は日本で見かけるものと大差なかった。ただし、夕方に訪れたせいか仕事終わりの男女で結構な混雑ぶり。高温サウナのほうに入ると20~30代と思われる女性が4人いて、いずれも真っ裸。バスタオルで隠してすらいなかったことに面食らったが、恥ずかしがっている感じは微塵もなく、そのせいもあっていやらしさは感じなかった。
ちなみにその施設は、日本人駐在員が多い街ということもあり、日本人ビジネスマンにも人気。何人かに話を聞いたが、週1回は通っているという40代の男性は、「正直、目の保養になります。でも、ここに来る日本人男性の多くはそれが目当てのはず(笑)」と本音を明かしていた。
日本の混浴露天風呂には、女性の裸目当てに長湯するワニ族と呼ばれる男性客のがいるが、どうやら遠く離れたドイツにもワニ族が生息しているようだ。
ドイツ国内の主要都市には、こうしたホテル併設型の混浴サウナが多い。そのため、出張の際はあえてそういったホテルを予約し、現地での密かな楽しみとしている日本人ビジネスマンも多いそうだ。
フィンランド人も混浴サウナで裸は恥ずかしい?
一方、サウナの本場で知られるフィンランドだが、ドイツと違って旅行者が利用するような施設は水着が主流。地元の人が利用するローカルサウナは裸でも水着でもOKなところもあり、ヘルシンキ郊外のサウナを訪れた際は、全裸派と水着派の男女が混在していた。
たまたま居合わせた20代の地元女性(水着着用)は、「裸でも平気なコも多いけど、知らない人に見られるのはね(苦笑)」とやっぱり恥ずかしいとのこと。ただし、自宅や貸し切りのサウナであれば男友達とでも裸で入ることがあるそうだ。
また、スウェーデンのストックホルム郊外にある公共サウナに入ったこともあるが、そこは男性専用、女性専用の日を定期的に設けているものの基本は混浴。訪問した日は、先客に恰幅のいい中年女性3人組がいて全員スッポンポン。だが、そんなことを気にする様子もなくすぐに打ち解け、日本の温泉にも混浴のところがあると教えると、「ぜひ行ってみたいわね~」と話していた。
裸目当てに混浴サウナというのは動機としては不謹慎だが、国境を越えた裸のつきあいを楽しむにはまさにもってこいの場所だ。サウナ好きにはぜひオススメしたいが、相手の裸をジロジロと眺めるのはマナー違反。下心丸出しで追い出されないように注意しよう。