卑劣なセクハラ男としか言いようがない。

「ノーブラで来て」――東京・江戸川区福祉事務所の男性主任(55)が20日、ケースワーカーとして担当していた生活保護受給者の女性6人にセクハラ発言を繰り返したなどとして、停職3カ月の懲戒処分を食らった。

 区福祉推進課などによると、この主任は、今年5月までの約2年間、ケースワーカーとして区内の生活保護受給85世帯の生活相談などを担当。その間に、30~40代の被害女性6人のうち5人に対し、業務で自宅を訪問した際などに「胸が大きいですね」といった内容のセクハラ発言を繰り返したという。

「被害女性に聞き取り調査した結果、おおむね、『事務所にはノーブラで来てください』『今度、自宅を訪問した時にはノーブラでいてください』といった“ノーブラ発言”のバリエーションが多かったようですね」

 

さらに6人のうち3人には、私的な電話をかけたり、メールを送っていたという。

「やり取りの中身は趣味や家族についてなど、たわいもない話だったようで、当の主任は『メル友のつもりだった』というような言い訳をしているそうです。被害女性から電話番号やメアドを聞き出していましたが、被害女性は『(受給者という)立場上、断りづらかった』と、嫌々教えていたといいます」(区役所関係者)

 人の弱みにつけ込んで、とはこのことだ。そのうえ2人は食事に誘っていた。

「実際にデートに応じた女性もいたそうです。食事に誘った女性に対しては『特別な感情があった』とも話しているようですが、そもそも、この主任は既婚者と聞いています」(前出のマスコミ関係者)

■“余罪”もぞろぞろ

 卑劣漢としか言いようがないが、被害女性の1人が今年5月24日、現在の担当ケースワーカーに「前の担当者(主任)からセクハラ発言を受けていた」などと相談し、発覚した。

 

 同日すぐに主任本人から事情を聴いたところ、当初は「(女性が)不快に感じているとは思わなかった」などとのらりくらり。翌25日に受給者との接触禁止命令が出されたというから、対応は迅速だった。後日、被害の可能性がある他の女性にも聞き取り調査をした結果、“余罪”がぞろぞろ出てきたという。

 6月4日にケースワーカーから外され、その後は区民と接触することがない内勤に。今月20日付で懲戒処分が発令された。主任は「親しくなるためのジョークだった。反省している」などと話しているという。職場での評判は悪くなかったというが、ここまでやっておいて冗談で済まされるわけもない。

 江戸川区の岡村昭雄・福祉部長(福祉事務所長)は「被害に遭われた方々には大変申し訳なく思います。今後は再発防止に向け、当該職員を含めた全職員に対して指導を徹底し、区民の皆さまの信頼回復に努めます」とコメントしている。