貴乃花親方の姿勢に日本人力士も拒絶反応?「もう戻ってほしくない」

白鵬だけじゃない…日本人関取衆も貴乃花親方にNO!

 

 大相撲の冬巡業が4日、長崎・五島市で行われた。横綱白鵬(32=宮城野)は元横綱日馬富士(33=伊勢ヶ浜)が幕内貴ノ岩(27=貴乃花)に対する暴行問題で引退したことについて初めて言及。ライバルが土俵を去ることに複雑な胸中をのぞかせた。大横綱は巡業部長の貴乃花親方(45=元横綱)が冬巡業に参加することを拒否したことでも物議を醸したが、日本出身力士を含む多数の関取衆が「同意見」であることが判明。親方衆ばかりでなく関取衆の間でも“反貴乃花”の動きが広がっている。

 4日、白鵬は元横綱日馬富士が暴行問題で現役を引退したことについて初めて口を開き「巡業が始まってますし、私が(元日馬富士に)どういう言葉をかければいいのか見つからない。難しい。少し時間を置いてから本人に直接伝えられれば」と複雑な胸中をのぞかせた。元日馬富士とは同じモンゴル出身で入門もほぼ同時期。同じ伊勢ヶ浜一門で互いに切磋琢磨してきた間柄だ。

 その白鵬は九州場所でV40を達成した際の優勝力士インタビューで「日馬富士関と貴ノ岩関を再びこの土俵に上げてあげたいと思います」と発言。日本相撲協会が九州場所後に開いた理事会で厳重注意を受けた。大横綱は理事会の席上では素直に発言を謝罪したが、同僚横綱の突然の引退を受け入れがたい心境があったことは確か。この日に発した言葉にも喪失感をにじませた。

 白鵬は巡業部長の貴乃花親方が冬巡業に参加することを拒否したことでも物議を醸した。これを受けてテレビのワイドショーや週刊誌上などでは「白鵬VS貴乃花」という単純な図式で語られているが、実態は全く違う。白鵬らモンゴル出身力士のみならず、大勢の日本人力士たちまでも貴乃花親方の姿勢に対して“拒絶反応”を示しているからだ。

 貴ノ岩の師匠の貴乃花親方は日本相撲協会の調査などに対応するため、今回の冬巡業には参加していない。角界関係者は「関取衆からは『貴乃花親方には、もう巡業に戻ってきてほしくない』という話ばかり聞く。もちろん暴力はいけないことだけど、力士の間に同じ土俵に上がっていた仲間として日馬富士に対する同情がかなりあることは間違いない」と証言した。

 その是非は別にして、角界内で生じたトラブルは当事者間の内々で収める慣習があった。その“ルール”を飛び越えて、いきなり警察へ駆け込んだ貴乃花親方の行動に対する反発は親方衆だけでなく関取衆の間にも強くある。関取の一人は重い口を開き「あれだけ秋場所で頑張っていたのに、すぐに次の場所で引退。何か他の方法がなかったのか」と釈然としない思いを打ち明けた。

 9月の秋場所は昭和以降では初の3横綱が初日から休場するなか、日馬富士は孤軍奮闘。優勝争いで一時はトップと3差をつけられながら奇跡的な逆転優勝を果たし、綱の権威を守った「救世主」として角界内外から称賛を浴びた。日馬富士が起こした暴行は身から出たサビとはいえ、一夜にして英雄から“罪人”として大バッシングを受けるさまは簡単に受け入れられることではない。それが現役力士の心情だ。

 いずれにせよ、貴乃花親方は親方衆と関取衆の両方から「NO」を突きつけられた格好。相撲界の中での居場所は、確実に狭まっていることは確かなようだ。

 

 

貴乃花親方はもはや打つ手なし?残されたのは「自爆テロ」のみか

貴ノ岩の診断書いまだ未提出 貴乃花親方“自爆テロ”画策か

「何を考えているのかわからない……」

 ある親方も、こう言ってクビをかしげる。

 3日から始まった大相撲の冬巡業。日馬富士暴行事件の被害者である貴ノ岩(27)が初日から休場しているにもかかわらず、4日の時点でも師匠の貴乃花親方(45)からは何の報告もないという。

 巡業を休場する際は本場所同様、病院の診断書を提出する義務がある。つまりルールだ。巡業は協会の公式行事だけに、理由も明かさず「欠席します」なんて主張が通るはずがない。貴乃花親方に代わって巡業部長代理を務める春日野親方(元関脇栃乃和歌)も、「(診断書の提出は)義務だからね」と困惑しきりだ。

「親方衆の間では、『最後まで出すつもりはないんじゃないか』というウワサまで出ている。理由? とにかく、執行部のやることなすこと、すべて気に食わないんじゃないか」とは冒頭の親方の弁である。

■死なばもろとも

 確かに貴乃花親方は協会の現体制に牙をむいている。日馬富士暴行事件では報告義務を怠り、協会が要請した貴ノ岩への事情聴取にも頑として応じようとしなかった。それでも11月30日の理事会で出席者の多くから袋叩きにされ、「日馬富士が書類送検された後なら」と、渋々協会の聴取を了承した。

 協会内での立場はいよいよ悪くなる一方。それでもかたくなな態度を取り続けるのは、もはや自身への処分が避けられないと居直っているからではないか。貴乃花親方は今回の騒動を利用して、執行部にダメージを与える狙いがあったという。そうやってクーデターを起こし、自分が理事長の座に就こうという魂胆だ。しかし、旗色が悪くなり、不可解な言動もクローズアップされ、協会内ばかりかマスコミからもバッシングされている。

 もはや、できることはひとつ。「どうせ処分されるなら刺し違えてやろう」という、死なばもろともの「自爆テロ」――それ以外、駄々をこねる子供のような貴乃花親方の反発は説明がつかない。

 もっとも、自身が狙っていた協会転覆は実現しそうにはない。文字通りの自爆、“死に損”で幕引きとなりそうだが……。